LUUPと交通違反、タイミーと闇バイト、メルカリとさらし行為――“性善説サービス”はいずれ崩壊するのか(5/6 ページ)

» 2024年11月29日 08時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

「性善説サービス」の限界

 性善説に基づいたサービスは、その設計思想ゆえに複数の課題を抱えている。

 まず、利用者間の信頼関係に依存しすぎており、利用者が誠実であることを前提として運営されている。しかし、全ての利用者が善意を持って行動するわけではない。悪意のある行為がエスカレートすれば、大多数の善意ある利用者がサービスから離れてしまう恐れがある。

 さらに、ルールの明確化と教育不足も見過ごせない問題である。

 利用者がサービスの仕組みを十分に理解していない場合、意図しない違反行為が発生したり、だまされることがある。運営側がルールを明確化し、それを効果的に周知する努力が求められる。

 これらの課題を克服するためには、性善説モデルをそのまま維持するのではなく、技術や規制を用いて補完する必要があるだろう。

 例えば、AIやデータ分析を活用した悪質行為の検出を進めることが考えられるが、上記のような性善説サービスの多くはテクノロジー以前に人員リソースで解決できることを怠っている例が少なくないのではないか。

 性善説サービスが直面する課題を克服し、持続可能な成長を遂げるためには、運営体制の強化が不可欠である。そのためには、人員への積極的な投資が必要だ。

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