カプセルトイが日本にやってきたのは1965年。1970年代ぐらいから一般に広まり始め、1980年代に「キン肉マン消しゴム」が世間を席捲(せっけん)する中で、第1次ブームが起こる。1990年代には「ウルトラマン」や「ゴジラ」などのカプセルトイが流行し、第2次ブームも発生。その背景には、同じ機械でも設定を変えれば価格を変えられる筐体(きょうたい)の進化もあったという。
こうした筐体の進化もあり、さまざまな場所への設置が可能となった2000年代に、カプセルトイが進出したのがスーパーだ。全国的に設置が進み、これが第3次ブームを引き起こす。
ブームが一段落した頃、2011年の東日本大震災後にSNSが拡大する中で、カプセルトイの商品をSNSにアップすることが流行。「コップのフチ子」シリーズをはじめとする、ちょっと変わったカプセルトイが市場を席巻する。ただ、この段階ではまだカプセルトイは「店の端にあるもの」だった。
2015年にマイボイスコムが約1万人を対象に行ったアンケートでは、過去1年以内にカプセルトイを購入したことのある人のうち、42.4%が「スーパー」で購入したと回答。スーパー以外では、ショッピングセンターや商店街、おもちゃ屋、家電量販店での購入が多く、基本的には何か別の目的で来た場所で「ついで買い」することが、カプセルトイの主な購入方法だった。
このように、ある意味では「スキマ産業」だったカプセルトイだが、その専門店がここまで人気を呼んでいるのは、それが「ついで買い」だけでなく、「目的を持って買うもの」に変化したことを表しているだろう。そしてその変化の象徴が「カプセルトイ専門店」だといえる。なぜカプセルトイの専門店は増えたのだろうか。
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