「ホンダ+日産=世界3位」素直に喜べない理由は? パワー半導体をめぐる“次の競争”スピン経済の歩き方(7/7 ページ)

» 2024年12月25日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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パワー半導体の分野でも「巨大連合」を

 もちろん、今は世界的なEV不振となっているので、パワー半導体の成長スピードは予想しずらい。インフィニオンとて安泰ではないし、ホンハイのEV戦略も見直しを迫られるだろう。

 ただ、中長期的に見れば、パワー半導体の需要が減ることはない。そういう戦略物資をサプライヤーが安定的に開発・製造をする方法を考えたとき、最も合理的な方法は「バイヤーを買収して傘下に入れる」ことだ。だから、ホンハイは日産を手に入れようとしたのではないか。

日本がパワー半導体分野で成長するために(画像はイメージ)

 日産買収が防げたとしても、それで日本のパワー半導体が成長できるわけではない。「巨人」と対等に渡り合うためにも、そろそろこの分野でも「巨大連合」が必要なのかもしれない。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受


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