もちろん、今は世界的なEV不振となっているので、パワー半導体の成長スピードは予想しずらい。インフィニオンとて安泰ではないし、ホンハイのEV戦略も見直しを迫られるだろう。
ただ、中長期的に見れば、パワー半導体の需要が減ることはない。そういう戦略物資をサプライヤーが安定的に開発・製造をする方法を考えたとき、最も合理的な方法は「バイヤーを買収して傘下に入れる」ことだ。だから、ホンハイは日産を手に入れようとしたのではないか。
日産買収が防げたとしても、それで日本のパワー半導体が成長できるわけではない。「巨人」と対等に渡り合うためにも、そろそろこの分野でも「巨大連合」が必要なのかもしれない。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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