この記事は、博報堂グループが運営するBIZ GARAGEが2025年1月8日に掲載した「生活者発想で進めるCX改革 博報堂の「CX heart™」とは|ウェビナーレポート(前編)」「顧客接点を改革しブランド価値を向上させる「CX heart™」活用法|ウェビナーレポート(後編)」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
2024年10月10日、CX(顧客体験)改革をテーマにウェビナーを実施。顧客接点の複雑化や商品・サービスのコモディティ化が進む中、博報堂がこれまで培ってきた「生活者発想」を拡張したオンオフ融合のメソッドの紹介しました。
本記事では、ウェビナーの内容から、コモディティ化と顧客接点が多様化する社会的背景、CX改革における課題と機会、そして、博報堂オリジナルのデジタル・リアル融合体験開発プログラムなどについてご紹介。「菓子メーカーのCX開発」を例に、実際にCX改革に取り組む際の進め方も解説します。
庄司 健一郎(博報堂エクスペリエンスクリエイティブ局 部長)
中島 優人(博報堂エクスペリエンスクリエイティブ局)
※社名・肩書はセミナー開催時のもの
本日は「生活者の心を動かす体験をつくるには?」というテーマで、私たちが開発したCX改革のためのコア体験開発プログラムのご紹介を中心にお話させていただきます。
CX(カスタマーエクスペリエンス)は、“ある商品やサービスの利用における顧客視点での体験”を意味しますが、私たちは「生活者の心を動かす体験をつくること」だと捉えています。
つまり、カスタマーエクスペリエンスを改革するということは、生活者の心を動かすことで、ブランドや商品のファンになってもらうことを目指すべきであると考えています。
ただ一言で「生活者の心を動かす」と言っても、いくつかの課題や障壁があります。
1つ目は、「リソースの分断」です。企業の中でCXを改善していこうとすると、多くの部署にまたがると同時に、ステークホルダーが多岐にわたることがほとんどです。そのためリソース不足が起きやすいのも事実です。
2つ目の課題は、「顧客接点がオンかオフ、どちらかに偏重してしまっている」ということです。伝統的な企業であれば、オフラインの接点が中心であることが多く、新興の企業であればオンラインでの接点が中心であることが多い印象ですが、こうしたオンオフの体験の分断は大きな課題と言えます。
そして3つ目は、非常に根深い課題かと思いますが、CXを統合すること自体が目的化してしまって、その先にあるブランドや商品サービスへの貢献が見えづらいということです。このことから、事前にゴールを定めておくことがとても重要になってきます。
これらの課題を解決するための糸口として、私たちは、CX改革のための、「生活者の心を動かす体験を創出するプログラム」を開発しました。
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