「ゲオのスウェット 658円」の衝撃 ペラペラなのに、なぜ「週に1万着」も売れるのか週末前に「へえ」な話(4/4 ページ)

» 2025年02月27日 06時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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“ついで買い”が目立つ

 では、スウェットはどのような人たちが購入しているのか。「広告を見て買った」「クチコミで知って購入した」といった人もいるが、店内でDVDを借りたときに「あれ、スウェットを売ってるんだ。映画を見るときに、ちょうどいいかも」などと考える人が多いようである。いわゆる“ついで買い”が目立つそうだ。

 先ほどから「ペラペラ」という言葉を何度も使っているが、購入者はこの“薄さ”を好意的に受け止めているようである。家でゴロンとするときに、しっかりとした素材だと動きにくいと感じる人もいる。家だから柔らかい素材のほうが動きやすいし、リラックスできる。そのため、「あえてペラペラのほうがいい」といったニーズがあるようだ。

アパレルコーナーで半纏も販売
パーカーも扱っている

 このようにスウェットは順調に売れているわけだが、課題もある。認知度だ。

 冒頭で紹介したように、「ゲオ=レンタル店」といったイメージが強いので、アパレルを扱っていることを知らない人も多い。もちろん、DVDやCDを頻繁に借りる人からは「そんなことは知ってるよ」といった声が飛んできそうだが、店内に入らない人にとっては知らない世界である。そうした人たちに知ってもらうためにも、今後はPR力が問われそうだ。

 いずれにしても、ゲオの店内は今後もどんどん変わっていきそうである。広報担当者に聞いても「自分たちも未来を予測することが難しくて。どんな店になっているでしょうね」と苦笑いしていた。

 5年後、10年後には、こんな商品が並んでいるかもしれない。

 簡単につくれて、映画館の気分が味わえる「ミニポップコーンメーカー」(2999円)。長時間ゴロンとしても疲れにくい「ソファ」(3888円)。ホラー映画を見るとき、恐怖感が増す「間接照明」(1499円)。いずれも、テレビを中心に半径3メートル以内で使えるモノばかり。もちろん「低価格」だ。

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