ジーユーの新ライン「ユージー」って? 浮かぶファストリの戦略(2/5 ページ)

» 2025年03月12日 12時00分 公開
[金森努ITmedia]

GUの成長とブランド戦略の変遷

 GUは2006年にファーストリテイリングの新たな低価格ブランドとして誕生した。当初は売り上げが伸び悩んだものの、990円ジーンズのヒットによって脚光を浴び、若者を中心に「トレンドを気軽に楽しめるブランド」として人気を高めていった。2013年にはブランド名を「g.u.」から「GU」へと変更し、ファミリー層からさらに広範な顧客層へ訴求するための体制を整えた。

 GUの特徴は、ユニクロが積み重ねてきたノウハウを生かしながら、より安価に、より軽いトレンド感を提供している点である。低価格路線をキープしつつ、シーズンごとに流行を取り入れたアイテムを迅速に売り出すことが強みであり、多くの若年層やファミリー層を取り込んできた。その一方で、競合には同様の価格帯・ターゲットを狙う企業も増えてきており、近年は差別化の必要性がさらに高まっている。

GUとbeautiful peopleのコラボ(出所:プレスリリース)

 そんな中で、GUは近年、ブランドやデザイナーとのコラボレーションを積極的に展開するようになった。MIHARAYASUHIRO(ミハラヤスヒロ)やbeautiful people(ビューティフルピープル)、rokh(ロク)、さらにはコスメブランドのSABON(サボン)との協業など、カテゴリや世界観の異なる企業との企画商品を打ち出すことで差別化を図っている。「GU=安いだけでなく、おもしろい」と感じさせる仕掛けがコラボの狙いだが、それらの企画の多くが期間限定であった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR