ロッテ「チョコパイ」が過去最高売り上げ 約40年間で変えたこと、変えなかったことロングセラーの秘密(4/5 ページ)

» 2025年03月24日 06時00分 公開
[熊谷ショウコITmedia]

前年を超える情熱をかけた商品づくり

 2024年11月に発売した「白いチョコパイプレミアム<ご褒美ミルク>」(6個入り、同464円前後)は、「常温チョコパイ史上最高のくちどけ」という強いコピーを使い、口溶けにこだわり、品質もブラッシュアップ。北海道産生クリーム入りのミルククリームやホワイトチョコレート、酸味を効かせた苺とラズベリーのダブルベリーソースが一体となって、ケーキを味わうようなご褒美気分を楽しめる商品となっている。

「白いチョコパイプレミアム<ご褒美ミルク>」

 「プレミアムは毎回、前回の商品を超えるようブラッシュアップを重ねており、どのように品質を上げられるか、担当者も情熱と時間をかけて開発している」

 2025年2月に発売した「チョコパイプレミアム<苺とピスタチオ>」(6個入り、同464円前後)は、前年同時期に発売した「チョコパイプレミアム<ぜいたくいちご>」が苺をメインに使用した商品だった。だが市場調査によると、近年のパティスリー商品は苺と何かを組み合わせたものがトレンドになっていたため、苺にピスタチオをアクセントとして使用した商品を発売した。

「チョコパイプレミアム<苺とピスタチオ>」

 『ことりっぷ』とのコラボは、2020年のコロナ禍にスタートした企画となる。外出自粛で旅行ができない中、「疑似旅行体験」をコンセプトにガイドブックで紹介している人気店の味を表現した商品を展開してきた。「約5年が経ち、社内でも長寿企画となっているが、顧客からは『知っているお店』『行ってみたい』など、多くのポジティブな声が届いている」という。

 2025年2月には、コラボ商品第14弾となる「ことりっぷ 小さなチョコパイ<甘味カフェ茶ゆの東山チョコどらアイス>」「ことりっぷ ふんわりプチケーキ<コバカフェの苺とブリュレのパフェ>」(各8個入り、同324円前後)を発売。コンセプトを「その土地にしかない素晴らしいお店と生活者をつなぎ、旅へのきっかけをつくる」に変更した。

金沢のひがし茶屋街にある「甘味カフェ 茶ゆ」と、福岡・太宰府天満宮そばの隠れ家カフェ「コバカフェ」の味を再現したコラボ商品

 「チョコパイはブランドパーパスを『どんなときもそっと寄り添い、まあるい心でつなげる』と設定しており、コラボ商品についてはチョコパイを通じて誰かと誰かがつながるというパーパスを体現する商品として提供していきたいと考えている」

 また、チョコパイの価値である「手の届くご褒美」を広い意味で解釈すると、「食」だけでなく「旅行」も含まれる。そのため、チョコパイを通じて、手が届く範囲のご褒美として、旅行へのきっかけを提供したいという狙いもあるようだ。

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