新時代セールスの教科書

SFAの限界──「量」の管理だけではもう足りない? 商談の「質」を管理する新時代のセールステックとは(3/3 ページ)

» 2025年04月04日 07時00分 公開
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SFA×DSRで最強の営業組織を目指す

 従来、SFAでは顧客の商談進捗をステータスで管理しながら、契約金額をモニタリングしていた。しかし、そこから顧客にどのような提案やコミュニケーションを行なっていくのかは営業個人任せになっていた。

 DSRをSFAと併用して使うことで、SFAで商談の進捗を管理しながら、DSRで顧客にどのような提案や情報提供をしているのかを管理するという定性的な営業マネジメントができるようになる。

 SFAは営業の定量レポート・ダッシュボードツールのため、定性的な顧客のヒアリング情報や提案内容の管理は不得意としていた。一方、DSRは営業の定量データではなく定性的な提案をデータで管理するツールのため、両者は保管し合える関係にある。

SFAとDSRを組み合わせた高度な営業マネジメント

 昨今では、定量的な行動量や業績のモニタリングより、定性的な提案内容の営業マネジメントを強化したいというニーズから、SFAではなくDSRを優先して導入する企業も増えている。

 DSRは日常の提案業務のデジタル化のため、普段の営業活動を大きく変えることなく自然な形でセールステックとして導入できる。加えて営業体験(顧客から見た時には購買体験)をよくするため、顧客にとっても好反応であり、営業担当のツール活用のモチベーションにつながりやすい。

 大手企業だけでなく、地方企業や行政もDSRを導入し始めており、すでに受注率や営業生産性の改善効果が見られている。新たな営業支援ツールとしてDSRは急速に普及していくだろう。

筆者プロフィール:藤島 誓也 株式会社openpage代表取締役

2018年株式会社openpageを設立。顧客取引のDXソリューション「openpage」を提供、米国流のカスタマーサクセスやセールステックについて最先端の情報を国内で広く啓蒙。2024年にはキヤノンマーケティングジャパン株式会社と資本提携を行い、国内大手企業のデジタルセールス戦略推進を支援している。著書に「実践カスタマーサクセス BtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー」(日経BP、2023年)。ITmedia ビジネスオンライン「新時代セールスの教科書」にて連載中。

HP:https://www.openpage.jp/


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