コロナ禍以降、居酒屋業界は大きな変化を迎えている。帝国データバンクによると、2024年の倒産件数は200件を超え、過去最高を更新しそうだという。いわば逆風が吹き荒れている中で、キリンシティは「飲み放題を廃止」したことによって、ガブガブ飲む人より、じっくり飲む人が増えたわけである。
「適正飲酒」という考えが広がると、10年後、いや5年後にはメニューから「飲み放題」の文言が消えている店が増えているはず、といった声もある。「時代の流れもあるし、ウチもやめたいんだよねえ。でも売り上げのことを考えると、いまはちょっと……」といった飲食店にとって、キリンシティの動きは気になるところである。
今回の取材を通して、ふとこんな言葉が浮かんだ。「飲み放題、去るもの追わず。水、来るもの拒まず」――。
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