ここ数年で多くの企業がおにぎり市場に参入しているが、「今後は淘汰されていくのでは」と、おにぎり協会の中村氏は言う。
「他の飲食ビジネスと同様に、シンプルにおいしい、または消費者に支持される仕組みができている店が生き残り、話題性だけで開店したような店は長続きしない、という前提があるでしょう。そのため、国内外のおにぎり人気は続くけれど、専門店が増加するわけではないと考えます」(おにぎり協会 中村氏)
こんがの合田社長は2024年10月の取材時、「おにぎりは原価が高く、当社の場合は具材にこだわっているので仕込みの人件費も高くつく。とはいえ、消費者にとってはコンビニのおにぎりの価格が基準となっており、売価を上げにくい。結果としてもうからない」と明かしている。
トレンドの行方について聞くと、「海外のおにぎりブームは加速していくと思う。 一方で、国内では米の高騰により、一旦ブームが落ち着くのではないか」と見解を示した。
海外でのおにぎりブームについて、中村氏は具体例を挙げて需要増に言及した。
「英国の『オックスフォード英語辞典』は、2024年3月に『Onigiri』を追加しました。ファッションブランドのFENDI(フェンディ)は、2024年のウィンタークリスマスコレクションから、おにぎりをモチーフにしたミニバッグを発売しています。また、欧州や北米で30代の日本人たちがおにぎり専門店を開業し、注目を集めています」(おにぎり協会 中村氏)
海外でオープンしたおにぎり専門店には、米国・イリノイ州シカゴの「Onigiri KORORIN」(オニギリコロリン)やドイツ・ベルリンの「Tokyo Gohan」(トーキョーゴハン)などがある。オニギリコロリンは地元メディアで紹介され、人気店になっているようだ。
国境を超えて広がるおにぎりブーム。米の価格高騰が叫ばれるなか、その需要は今後も続くのだろうか。
1981年生まれ。フリーランスライター・PRとして、「ビジネストレンド」「国内外のイノベーション」「海外文化」を追う。エンタメ業界で約10年の勤務後、自由なライフスタイルに憧れ、2016年にOLからフリーライターへ転身。
その後、東南アジアへの短期移住や2020年〜約2年間の北欧移住(デンマーク・フィンランド)を経験。現地でもイノベーション、文化、教育を取材・執筆する。2022年3月〜は東京拠点。
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