先の疑問に戻る。社内から疑問の声が出てくる中で、阿部さんはどのようにして説得したのだろうか。その答えは、試作機の展示である。
「コーヒー関連のイベントで、試作機を展示しました。すると、多くの人から『いつ販売するんですか』『予約はできますか』といった声をいただきました。それまでは不安を感じていましたが、『大丈夫、この商品はいける』と思いました」(阿部さん)
大きな池に魚が数匹しかないのでは? といった懸念に対して、「いやいや、数匹ではなく、数十匹……いや、数百匹いるはず」という仮説を立てた。結果、マクアケでの数字である。
さて、試験的な販売で850人以上が購入したわけだが、今後どのくらいの売り上げを見込んでいるのだろうか。
「単純に比較するのは難しいですが、例えば家庭用レギュラーコーヒーの市場規模は700億円ほど。焙煎機を使っている人は、多く見積もっても、その1%程度ではないでしょうか。現時点では、7億円が上限かなあと」(阿部さん)
焙煎機の“熱”はどこまで広がるのか。予想以上に売れたら、関係者の目が“くるくる”回り出すかもしれない。
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