人口5000人の町に年間24万人――「朝ドラ特需」に沸くやなせたかしの故郷、渋滞・長蛇の列をどう制御した?(1/5 ページ)

» 2025年07月17日 08時00分 公開
[伏見学ITmedia]

著者プロフィール

伏見学(ふしみ まなぶ)

フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。


 やなせたかしさんと、その妻・暢さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』が放送中だ。

 ドラマの登場人物のモデルであるやなせ氏は、高知県香美市香北町(旧・在所村)出身。その故郷に1996年にオープンしたのが、「香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」(以下、やなせたかし記念館)である。

高知県香美市香北町にある「香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアム」 ©やなせたかし ©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV

 やなせたかし記念館では、やなせ氏の作品や収集品の展示に加えて、どのような人生を送ってきたのか、その歩みなども紹介されている。施設は「アンパンマンミュージアム」と「詩とメルヘン絵本館」、そして「別館」からなる。

 今でこそやなせたかし記念館とは別に全国5か所に「アンパンマンこどもミュージアム」があるが、2007年に横浜に第1号ができるまでは、やなせたかし記念館がアンパンマンをテーマにした唯一の施設だった。それもあってか、ピーク時の来場者数は年間約24万人で、多い日には5000〜6000人にも上った。当時、香北町の人口は5000人ほどだったため、それに匹敵する規模である。そのため、経済効果だけでなく戸惑いもあった。

 来年で開館から30年を迎える、やなせたかし記念館。この施設は、この地に何を残してきたのだろうか。

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