この記事は、『部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったときに読む本 悩める上司への処方箋』(加藤京子著、日本能率協会マネジメントセンター)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
2000年ごろから第2次産業が停滞し始め、情報サービス業を含む第3次産業が増加しました。そのため、最近の職場では、常に新しい知識や情報が必要とされるようになりました。結果、新しい情報収集、処理能力に長けている若い社員たちが職場の中で優位になっています。
生保会社の給与計算システム構築、あなたは、一切をZ君に任せている。彼は、顧客との折衝も上手く、どんどん仕事が進むので、助かっています。
ただし、「そんなことも知らないんですか」「それで管理職が務まるなんて、いいですよね……」と失礼な発言を、投げかけてきます。結構イラっとします。でも、自分が不甲斐ないとも感じます。そんなある日、Z君が取引先と喧嘩してしまいました。
しかし、彼は「自分は悪くない」「相手のレベルが低い」の一点張りでした。「そういう上から目線の態度だから、こんなトラブルが起きるんだよ」「これを改めない限り同じことを繰り返すはずだよ」と諭しました。
ところがZ君は、「お言葉ですが課長、自分、課長より数字に貢献していますよね。説教する相手は、客先でしょう。コロコロ発注仕様を変えて、その都度、作業するこっちの身にもなってほしいですよ。課長がそんな甘いから客がつけあがるんですよ」とスゴイ剣幕で捲(まく)し立ててきました。
加えて「そういう話は、自分を超えてから言ってくださいよ」「高い給料もらってるくせに」とも。一瞬、空気が凍りつき周囲も「聞いてはいけないことを聞いてしまった」という申し訳なさそうな表情です。なんといって諭すのが良かったのでしょうか。
これといった再発防止策には至らず、そのままにしていたら、「再び」トラブルが発生しました。客先はご立腹。今回の契約ごと、白紙に戻す……というシビアな内容でした。これは、マズイ、部長から大目玉です。
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