上から目線で“ディスってくる”部下 トラブルを起こさないために、上司が伝えるべき言葉とは?(5/6 ページ)

» 2025年08月22日 06時00分 公開
[加藤京子部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったときに読む本]

(c)結節点をみつける

 ここでは、顧客から「契約を一旦白紙に戻す」といったシビアな状況まで追い込まれています。部下のモンスターぶりは、第三者にも理解しやすいでしょう。

 一方、あなたのマネジメント不足の指摘もあるかもしれません。実際、最初のトラブル発生時では、再発防止策が打てておらず、放置した結果……という顛末(てんまつ)です。部下に対して「指導・教育」をしていたという記録があれば良いのですが、ここはあなた側にも改善の余地がありそうです。

 Z君の発言の中に、「説教する相手は、客先でしょう。コロコロ発注仕様を変えて、作業するこっちの身にもなってほしいですよ、課長がそんなだから客がつけあがるんですよ」とあります。こういった発信を看過せず、細かく聞き取っていきます。例えば「今の発言の意図、もう少し詳しく教えてくれるかな」といったふうに。

 もし、彼の優秀さや仕事のきめ細かさに頼りっきりになっているとしたら問題です。

 「今回の件、話を聞いてて君もすごく大変だったってことが分かったよ」「自分にも責任の一端がありそうだ。いろいろ苦労をかけさせてしまったね」と理解を示し、「確かに向こうの態度にも問題ありそうだよね、正直、お客さまの言い方や要求にも厳しさがあったと思う。まあ、だからこそ、と言っては何だが『どう受け止めてどう返すか』っていう対応力が求められる場面だったんだよね」と切り返します。

 理不尽だったと共感を示しつつ、だからこそ経験になるという前向きな意味づけをしながら「この状況を改善するために、どうすればいいと思いますか?」という場面にもっていきます。

(1)「共闘感」を醸成する

 「今回の件、結果的にかなり大きな影響が出そうだけど、ここからどう立て直すかが本当の仕事の価値なんだと思う。一緒に挽回しよう」「正直、今回お客さまとのやりとりで私にも見落していたことがあったと思う。だからこそ、今ここで立て直す責任は、私にも君にもあると思う」などと目先を合わせます。

(2)プロ意識を促す

  • 「君の言動に対してお客さまがどう受け取ったかが全てだよ。私が対応を間違った部分もあるけど、それは君の言動が正当化される理由にはならない。ここからは、私たちの仕事の質が問われてくる」

→「君が悪い」ではなく「どう見られたかが重要」という視点に切り替えるフレーズです。

(3)対策も考慮に入れて、一緒に解決する

 「現在の課題に集中し、一緒に解決策をみつけましょう」「まず、謝りに行こう、どうすればリカバーできるか、こちらも事前に対策を考えよう、同行できるね」などと促します。

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