それにしても、なぜイオンモールなどの屋内公園は人気を集めているのか。繰り返しになるが、「暑さ」は要因のひとつである。しかし、それだけではないようだ。
イオンファンタジーは施設がオープンするたびに、利用者にアンケートを実施している。「満足度95%以上」をひとつの目安にしていて、その数字が下がらないように、あらゆる手を尽くしている。
例えば、イオンモール沖縄ライカムに「ちきゅうのにわ」をオープンして、利用客にアンケートを実施したところ、トイレについて不満の声があった。施設の近くにトイレがなかったので、ある人は別のフロアまで移動していた。対応が必要だと考え、施設内にトイレを設置した。
このほかにも、さまざまな声に対応している。「ウェットティッシュが足りない」という声があれば追加で設置したり、「この遊具にスタッフを置いてほしい」との意見があれば人員の配置を見直したり。
「満足度95%以上」を維持するために、必要な対応を一つひとつ行っている。このような工夫の積み重ねが、屋内公園の運営を支えているようだ。
もう1つ、ちょっとユニークな取り組みがある。今年の8月、イオンモール幕張新都心に「ちきゅうのにわプレイラボ」という施設をオープンした。ネーミングからすると、子どもたちが何かの研究を楽しめる場所なのかと思いきや、そうではない。
これまでになかった遊具を設置していて、子どもたちはそこで遊ぶ。そして、そこから得られたデータや声を参考に新たな遊具を開発していく場なのだ。
なぜ、このような施設を設けたのか。新しい遊具を設置して、「さあどうぞ。たっぷり遊んでくださいね」とオススメしても、遊具に何らかの不具合があってケガをするかもしれない。また、スタッフのオペレーションがうまくいかないかもしれない。
そうしたリスクや課題を浮き彫りにするために、このラボで実験を行う。その上で「問題はなし。たくさんの子どもたちが遊んでくれるはず」と判断すれば、その遊具を全国に展開するのだ。
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「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モールCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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