アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか? ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。
Q.Wordの文書作成中に、Web検索や過去資料参照の度に画面を切り替えるのが面倒です。効率化のためにできることはありますか?
Wordで文書作成中に、ブラウザを開いて調べものをしたり、他のAIツールに切り替えて文章をチェックしたりするのは非効率だ。
Microsoft 365 Copilotで利用できるWord内のCopilotを活用すると、そんな“分断”を減らし、スマートな作業を完結できるようになる。WordのCopilotで活用したい3つの便利な機能を解説する。
ITジャーナリスト/ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』(理工図書)、『先読み!IT×ビジネス講座ChatGPT』(共著・インプレス)など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。
Microsoft 365 Copilotには、ユーザーがあらかじめ指示を設定できる「エージェント」が用意されている。エージェントはWordからも利用可能だ。目的に応じたタスクをWordの画面から移動することなく短時間で完了できる。Word内でCopilotウィンドウを開き、左上の三本線ボタンをクリックすると、エージェントの一覧が表示される。
例えば、作成中の文書で使うちょっとした情報を収集したいときは、「リサーチ ツール」エージェントを使えばよい。
このエージェントでは、Webの情報をリサーチできる。例えば、「Microsoft Copilotに関する2025年の話題を新しい順にまとめて」のように指示すれば、その場で回答を確認できる。ブラウザを開いてWeb検索したり、ChatGPTなどのツールにアクセスしたりするより短時間で調べものを終えられる。
自分の業務に最適化されたエージェントを自作することも可能だ。ただしエージェントの新規作成はWordからはできないので、事前にMicrosoft 365から操作する必要がある。
Microsoft 365の左サイドバーで「エージェント」→「エージェントの作成」をクリックすると、新規作成画面が開く。
作り方はChatGPTのGPTsとおおむね同じだ。上部のタブで「説明」を選んだ後、どんなエージェントを作りたいか、どういった条件を指定するかをチャット上で指示していけばよい。
作成したエージェントは、WordのCopilotウィンドウのエージェント一覧にも表示されるようになる。Wordで文書作成中にもすぐに利用できる。
例えば、現在開いているドキュメントの文章をチェックするエージェントを作っておき、「文書全体をチェック」「自然な日本語表現にする」「事実誤認がないか確認」などのボタンを選ぶだけでチェックできるようにするといったことが可能だ。
一度作ってしまえば以降はエージェントを選んでボタンをクリックするだけでチェックが完了する。毎回、長いプロンプトを入力する必要がなくなるので作業時間が大幅に短縮できる。
社内資料を参照して新たな資料を作成する際もCopilotが役立つ。ファイルがOneDriveやSharePointに保存されていれば、Word画面から移動したり、過去のファイルを開いたりすることなく情報の集約ができる。その場合は、Copilotウィンドウ上部のタブを「職場」に切り替えた上で操作する。
例えば、「最新の生成AIツールを使い、業務効率化するためのTips集を作成したい」のように、新たに作成したい文書の内容を指示すると、OneDrive/SharePoint内のファイルを参照し、出典元を明示した上で回答が出力される。
このとき、Web参照を可能な設定にしていれば、社内資料に加えてWeb検索からも必要に応じて情報が補足される。Web上の情報を回答に含めたくない場合は、右上の「…」から「Web検索」のオプションをオフにすることも可能だ。
WordのCopilotパネルは、個人ならMicrosoft 365 PersonalまたはFamilyプランで、組織ならCopilot for Microsoft 365のアドオンを契約している環境で利用できる。
全ての作業をWord内のCopilotでできるわけではないが、作業中のアプリケーションから移動せずに作業できるのは大きい。日々の業務の省力化に大きく寄与するはずだ。
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