この記事は『アパレルビジネス』(久保雅裕/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
近年よく言われる「春が飛んだ」「秋が飛んだ」という言葉を、ご存知でしょうか。気候変動の影響で、3〜4月から暑い日が続き、10月になっても30度を超える日があるなど、気が付けば、春物、秋物を売る時期がなくなってしまっていることを指した言葉です。
通常2月に春物が店頭に立ち上がり、3〜4月に本番を迎え、5月から夏物を展開し、6月末または7月頭から春夏物のセールが始まります。そして8月のお盆過ぎから秋物が立ち上がり、10月から冬物、12月にセールを行って、1月正月商戦、春の立ち上がりへとつなげます。
ところが、3月から20度を超える夏日が幾日もあり、そのまま真夏へと突入するので春物のプロパー販売の機会がなくなることを「春が飛んだ」と表現したわけです。同様に秋物を売りたい本番の9〜10月に残暑が長引いて、消費者が「秋物を買う気にならない」という困った状況が生まれています。
アパレルメーカーでは、このような気候の変化に対応するため、秋の立ち上がり商品を薄手の秋色にするなど、季節感は秋でも素材やアイテムは暑い日でも着ることが可能な企画に変更しています。
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