Visa Infiniteの最大の特徴は、プレミアムカード市場で異例ともいえる経済価値の高さにある。
国内のプレミアムカード市場では、アメリカン・エキスプレス・プラチナカード(年会費16万5000円)、ダイナースクラブ プレミアムカード(同14万3000円)、ラグジュアリーカード(同11万円〜)などが競合する。これらのカードは、専用コンシェルジュや高級ホテルの優待、空港ラウンジなど、体験価値で勝負してきた。
体験価値の面では、Visa Infiniteも競合と同様のサービスを備えている。専用コンシェルジュやプライオリティ・パスなど、プレミアムカードの定番サービスをそろえた。
メタルカードも各社共通だ。来年度には三井住友カード初のメタルカードを手数料3万3000円で発行する予定だ。アメックス・プラチナが2018年から標準でメタルカードを採用し、ダイナースクラブ プレミアムも追加手数料3万円でメタル対応、ラグジュアリーカードが全カードを金属製で展開する中、三井住友カードもこの流れに加わった。
Visaの最高位カードとして、スポーツ選手とのイベントなどへの招待はユニークだが、基本的な体験価値では競合と大差ない。
一番の違いは、経済価値の強さにあるだろう。年会費を上回る還元を行うという設計は、従来のプレミアムカードの常識から外れている。「SBI証券でのクレカ積立で最大4%という還元率も、単体では収益化できない」と、伊藤氏も認める。この還元率は非常に高水準だ。
「総合サービスとして展開していくため、全体での採算性を重視して設計している」と伊藤氏は説明する。つまり、Visa Infinite単体での収益性よりも、顧客との長期的な関係構築を優先するという戦略なのだ。
この経済価値の強さは、デジタル富裕層の獲得において重要な意味を持つ。対面よりもデジタルを好み、合理性を重視するこの層にとって、体験価値だけでは訴求力に欠ける。高い還元率という分かりやすい経済価値が、カード選択の決定打となる。
しかし同時に、700万円という高いハードルを設けることで、顧客の質的な選別も行う。ここに、同社の戦略の核心がある。
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