ところが、濃厚な味わいの特徴があるため、夏場の売り上げは想定より伸び悩んだ。そこで、2023年6月から後味をさっぱりさせた「夏限定商品」(同184円)を発売。チョコと油脂の配合比率を変更し、バニラアイスの甘さを軽減した結果、前年比116%を記録し、夏場の売り上げが回復した。
同年の秋冬には「白い板チョコアイス」を展開し、女性を中心に顧客層を拡大。その後も、限定フレーバーの商品を販売している。その狙いについて、谷山さんは「知ってもらうためのきっかけづくり。定番品でアプローチできない層にも楽しんでもらうことを狙った」と説明する。
プロモーション施策も並行して行い、2023年からアイドルを起用したCMで若年層への認知拡大を促進。2024年には料理系YouTuberとコラボし、家庭で板チョコアイスを完全に再現する動画を公開した。原材料情報をもとに何度も試作する様子が共感を呼び、再生回数は200万回を超えた。
2025年には、期間限定で「バースデーショートケーキ味」(同260円)を発売し、SNSを活用したプレゼントキャンペーンを展開。さらに、人気ゲーム「アイドルマスター」との周年コラボ企画も行った。
複合的な施策の背景には、一貫して「板チョコらしさ」を訴求する狙いがある。パッケージデザイン、コラボ施策、限定商品のいずれも、「板チョコアイス」としての存在感を打ち出すことを重視している。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
「イオンモール」10年後はどうなる? 空き店舗が増える中で、気になる「3つ」の新モール
「チョコモナカジャンボ」はまだ完成していない? 外国人が注目する“日本限定アイス”の裏側
ドンキ「152円ビール」じわり人気 “地味過ぎる”見た目になった深いワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング