藤島氏: 相手があまり話してくれないときは、どう引き出すんですか?
菊池氏: 「なぜ困ってるんですか?」「なぜそう思ったんですか?」と書いていくだけです。書いてる内容を見て「これ、薄っぺらいな」と思ったら、「なぜ?」「具体的にどういう意味ですか?」と深掘る。そうしないと、情報として成立しないんです。
菊池氏: 画面を一緒に見ながらだと、自然と「ここを解決しないと先に進めないですよね」という話になりますね。共通認識を持つために深掘る、という感じです。お客さまも画面を見ながら「確かに、ここが本質だな」と気付いてくれる。
藤島氏: しかも、書いていると冒頭でヒアリングしたことに戻って深掘り質問をすることもできますよね。
菊池氏: 書いてる内容を見ながら喋るので、「さっき『コスト削減したい』と言っていましたけど、具体的にどれが一番困ってます?」「なんでこれが一番なんですか?」と、時系列に縛られず自由に話題を行ったり来たりできます。
藤島氏: 重要なところにワープできるんですね。
菊池氏: まさに。「これ合ってます?」と戻って確認もできるし、お客さまも画面を見ながら「そういえばこれもあってね……」とさまざま話してくれる。メモにある情報同士がこすれ合って、新しい気付きが出てくるんです。
何もない状態だと、情報を暗記しないといけないから、そういう自由な会話ができませんよね。
藤島氏: でも、読者の中には「書きながら、話を戻したり深掘ったり、大変そう」と感じる方もいると思うんですが。
菊池氏: 全然大変じゃない。逆に、メモしないから大変なんです。耳で聞いたことを記憶して、数分前の話を完璧に覚えながら商談するなんて無理。眼前可視化で書き起こすと、画面を見ながら考えて話せるから、むしろ楽なんです。
藤島氏: 営業スキルや経験に関係なく、眼前可視化のフォーマットに沿って書いていけば、自然と深いヒアリングができる。これが眼前可視化の大きな強みですよね。
菊池氏: しかも初回商談からすぐ実践できる。事前に顧客に許可を取る必要もない。商談の冒頭で「今日お話しした内容を議事録として残しながら進めますね」と言って画面を見せるだけ。ほとんどのお客さまは「助かります」「ありがたい」と言ってくれます。
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