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「採用しても、辞めていく」 人手不足を乗り切る「外部リソース活用」3つの要点(1/2 ページ)

» 2026年02月09日 07時00分 公開
[大村康雄ITmedia]

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学研が挑む"真のDX"──「本当に使われるデジタル」で目指す教育価値のバリューアップ

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【概要】学研グループは、DXを目的化するのではなく、現場と顧客にとって“本当に使われるデジタル”を出発点に教育価値のアップデートに挑戦しています。本講演では、現場で浮き彫りになった課題や、実際に行ってきた改善や仕組みづくり、そこで得られた知見がどのように学研のDX推進を形づくんできたのかをお伝えします。既存のデジタル活用の成果と学びを振り返りながら、学研が目指す“真のDX”の姿をご紹介します。

 人手不足が、多くの企業にとって「前提条件」になりつつあります。

 背景には労働人口の減少、転職サービスの発達による転職志望者の増加、退職代行の利用増加などがあります。さらに若年層を中心とした勤労意識や責任感の減退などもあり、企業が人手を確保、定着させるハードルは日に日に高まっています。

 このような状況の中、外部リソースの活用に目を向ける企業もあります。人手不足の解消はAIやDXを活用しようという文脈で語られることも多いです。しかし、実態としてはAIやDXを活用しなくとも人手不足が解消されるのであれば簡単に解決できる問題も多く、その手段として外部リソースが着目されてきているわけです。

 なぜ外部リソースが選ばれるようになったのか。その背景と、活用を誤った場合に起こりやすい課題について整理していきます。

photo なぜ今「採用」よりも「外部活用」なのか。その理由と、多くの企業が陥りがちな落とし穴を解説する(写真提供:ゲッティイメージズ)

人手不足は「一時的なトラブル」ではない

 かつて人手不足は、景気や業界特性によって波のある課題として捉えられていました。しかし現在は、特定の業界に限らず、多くの企業で恒常的なものとなっています。

 企業支援の現場でも、「採用を続けているが追いつかない」「現場の負担が減らない」「管理職がプレイヤー業務に戻らざるを得ない」といった相談が増えています。特徴的なのは、業績が悪いわけではなく、むしろ仕事はあるにもかかわらず、人が足りずに回らないというケースが多い点です。

 この状況下では、現場の努力や工夫だけで乗り切ることに限界が見え始めます。残業で補う、属人的な対応で何とか回すといった方法は、短期的には機能しても、長期的には現場の疲弊や、業務が集中した社員の離職を招きやすいからです。人手不足は一時的な問題ではなく、経営や業務設計をする上での前提として向き合うべき問題だと言えるでしょう。

「採用強化」の死角 なぜ人を増やすと現場が疲弊するのか

 社内の人的リソースが増えれば解決する問題が多い反面、ただ採用にチカラを入れればいいわけではないのが、昨今の実情です。その背景には、採用コストや育成負荷の増大があります。募集広告費や人事工数は年々増え、採用後も即戦力になるまでには相応の時間と支援が必要です。

 さらに、せっかく育てても定着しないという課題もあります。人材の流動性が高まる中で、一定期間で退職してしまうケースすらあります。結果、業務が特定の人に依存し、属人化が進みやすくなります。属人化が進むほど、引き継ぎや業務改善は難しくなり、結果として現場全体の負荷が増していきます。

 つまり、社員を増やすこと自体が、必ずしも業務を楽にするとは限らない構造になっているのです。人が増えれば管理や調整の負担も増え、マネジメントコストも膨らんでいきます。採用や内製だけに頼る前提そのものを、見直す必要が出てきています。

DX・AI導入がかえって「仕事を増やす」ケースも

 人手不足への対応策として、AIやDXに期待を寄せる企業も多くあります。一方で、「ツールを導入したものの成果が出ない」という相談も後を絶ちません。その原因の多くは、技術そのものではなく、業務設計にあります。

 本来、AIやDXは業務を代替・効率化するための手段です。しかし、業務の目的や役割、プロセスを整理しないままツールを導入してしまうと、「何のために使うのか分からない」「現場で使われない」といった状況も生まれます。結果として、AIやDXが新たな業務負担を生むケースすらあります。

 こうした状況の中で、外部リソースの活用も数多くの選択肢の一つになっています。単なるコスト削減や一時的な人手補完としてではなく、「人を採用できない前提で業務を成立させるための判断」として選ばれるケースが出てきています。

 外部に業務を切り出すことで、業務内容や成果物、役割分担を明確にせざるを得なくなります。その過程で、「本来やるべき業務は何か」「社内で抱える必要があるのか」といった問いが自然と浮かび上がります。結果として、業務の整理や優先順位付けが進むケースも少なくありません。

 外部リソースには必要なタイミング・範囲で活用できる柔軟性があります。固定的な人員を増やすのではなく、業務単位で設計できる点は、人手不足が常態化する環境においてメリットを持っています。

 さらに、外部リソースは、多くの場合「その道のプロ」であることも利点です。育成コストをかけずに、むしろ外部業者から先進的なやり方を学べる可能性があります。AIを活用したりDXを推進したりするには、自社で試行錯誤しなければいけません。一方、外部リソースでは一緒に最適な業務設計をすることも可能になります。

 単なる「作業の外注」ではなく、業務をどう設計し直すかを一緒に考えるパートナーとして機能させる観点も重要になっています。

「外注すれば楽になる」という大きな勘違い

 一方で、外部リソースを活用しても成果につながらないケースも存在します。その多くは、「任せれば何とかなる」という誤解から生じています。目的や役割、成果基準を十分に定めないまま依頼すると、認識のズレが生じやすくなります。

 例えば、「とりあえず任せたが、思っていた結果と違う」「どこまでやってもらえるのか分からない」といった不満は、丸投げに近い状態から生まれがちです。外部リソースは万能ではなく、あくまで設計された業務を実行する存在です。

 社内で曖昧(あいまい)なままになっている業務を、そのまま外に出しても、課題は解決しません。むしろ、問題が顕在化しやすくなるだけです。外部活用は「代替」ではなく、「分担」であるという認識が欠かせません。

photo 業務設計で抑えるべき3つのポイントとは?(写真提供:ゲッティイメージズ)
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