では、AIを使い続けてきた社会人1年目がこの質問をされたとき、何と答えるだろうか。「ほとんどの人が、『ない』と答えるしかない」と小野氏は言う。
これは個人の怠慢ではない。構造の問題だ。AIを活用するにはチェックが必要で、そのチェックには経験が要る。そして経験は、AIに頼らず自ら手を動かすことでしか積めない。誰もこの循環を設計できていない。企業も、学校も、政府も。
今はまだ、かろうじて間に合っている。AIが普及する前に、自分の手で能力を身に付けた世代がいるからだ。その人たちがチェックを担っている。
だが、AIネイティブとして育つ次の世代はどうなるのか。コードも、議事録も、文章も、最初からAIが書くものとして育った世代が、AIの誤りをどうやって見抜くのか。これは技術の問題ではない。教育の問題だ。その問いに、誰もまだ答えを持っていない。
第2回:AIを使うほど、チェックできなくなる 「監督のパラドックス」が示す危機 今回はこちら
第3回:そのExcel、AIには読めていない
第4回:採用AIという「見えない裁判官」 その判定に理由はあるのか
金融・Fintechジャーナリスト。2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社にて複数媒体の創刊編集長を務めたほか、ビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わる。2023年に独立し、ネット証券やネット銀行、仮想通貨業界などのネット金融のほか、Fintech業界の取材を続けている。
3万円払っても欲しい? ATMでは使えないのに人気沸騰のメタルカード
IT人材は東京のどこに住んでいる? 首都圏の“知られざるテックエリア”を地図で見る
“お得自慢”がステータスになった? 100万人が選んだ「dカード PLATINUM」の裏側
年会費9万9000円で「買えないものを買う」 どういうこと? 富裕層カードの知られざる世界Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング