「SaaSの死」に続く「コンサルの死」? AIエージェント登場で、株価暴落のコンサル業界はどうなるのか古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(3/4 ページ)

» 2026年03月04日 08時00分 公開
[古田拓也ITmedia]

日系大企業という「最後の聖域」

 一方で、業界内では依然として大企業の領域の信頼性はAIでは代替できないという思想も根強い。巨大企業の基幹システム構築や、数万人規模の組織変革といった高度な信頼性、セキュリティ、そして泥臭い合意形成を求める領域において、AIが生成した成果物だけでガバナンスを担保するのは不可能だという考え方だ。

 確かに、個人の開発効率を飛躍的に高めるAIツールが、直ちに大企業の厳しいセキュリティ基準や複雑な政治状況に完全に対応するのは難しい。

 しかし、ここ数カ月で登場した最新の自律型開発支援ツールは、単なるコード生成の域を超え、コードレベルの脆弱性対策や、既存システムとの依存関係の自動検証までも担い始めている。これまでSIerやコンサルティングファームが「組織としての信頼性」としてきた、「責任のプレミアム」をも飲み込みつつあるのだ。

 これまで企業にとってコンサルタントは、「外部から知恵を借りられる対象」であった。正社員のような解雇規制がなく、迅速に低パフォーマーを切れることから、人月が多少高くとも、最も効率的に知見を獲得できる手段だったのである。

 しかし、今後はAIエージェントが自律的に動き、PCの中で一流コンサルタントと同等かそれ以上の知識を24時間体制で提供できるようになる。そうなった場合、企業は「コンサルタントを雇う」のではなく、「マッキンゼーレベルのAIエージェントを社員一人ひとりに装備させる」ことを選ぶようになるだろう。

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