このように所有満足度が高いクルマである一方、ランクルは盗難されやすいことでも知られる。ここ数年、盗難されやすい車種のランキングで常に上位3位以内に入っている。
それは海外での需要が高いことが大きな理由のようだ。盗難によって海外へ持ち出されてしまったら、現地で登録して普通に乗り回すことができるため、窃盗団の標的にされてしまうのだ。
トヨタもこの状況を甘んじて受け入れているわけではない。現行のランクル300シリーズには指紋認証システムまで導入されている。しかし、電子制御のクルマはどんなにセキュリティを高度化しても、ネットワークのどこかにあるセキュリティホールを見つけられてハッキングされてしまう。このイタチごっこが続いている。
シャッター付きのガレージに保管すれば、盗難被害はある程度抑えられるだろうが、それでは周囲にランクルを見せ、住宅のステータスを高めるために利用できない。レクサスなども同様で、クルマを大事にしたいユーザーはビルトインガレージなどを利用する一方、見せびらかしたいオーナーは屋外に停めることになる。
この傾向が変わらない限り、ランクルの盗難件数は減らないのではないか。残価設定クレジットを利用して車両保険に入っていないと、盗まれたら残債だけが残ってしまう。保険会社はランクルの料率クラスを上昇させ続けるだろうし、オーナーの負担は増えるばかりになる。この図式を収束させるには、オーナー自身が盗難対策を強化するしかなさそうだ。
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は自動車情報サイトEFFECT(https://effectcars.com)、クラシックミニ専門サイト(https://classicmini.jp)を主宰するほか、ベストカーWeb、Yahoo!ニュース、ITmedia ビジネスオンラインなどに寄稿中。著書に「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。近著は「きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識」(日刊工業新聞社刊)、「ロードバイクの素材と構造の進化」(グランプリ出版刊)。
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