なぜ、ランクルは“コスパ最強SUV”なのか 最上位300シリーズが人気の理由高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

» 2026年03月06日 06時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

豪華な4WDワゴンへの進化が転機に

 ランドクルーザーといえば、誰もが知るSUVの人気モデルだが、一般ユーザーにまで広く人気になったのは、1989年に登場した80シリーズがきっかけだった。タフな道具感のあるクロスカントリー車から、豪華で高速安定性もある高級大型4WD(四輪駆動)ワゴンへと成長したことがターニングポイントとなったのだ。

 当時は4WD車ブームで、他にも三菱のパジェロやいすゞのビッグホーン、日産のテラノなどが街中にあふれ、カスタムやチューニングなども大いに盛り上がった。やがてディーゼル規制が始まると4WD人気は落ち着いたが、クリーンディーゼルの登場もあり、今のSUV人気へと受け継がれている。

歴代のランクルシリーズはさまざまなユーザーが過酷な状況で使えるタフさを誇ってきた。写真左上下が爆発的な人気を得た80シリーズ。右上は200シリーズ、右下は60シリーズ(写真:トヨタ)

 そもそもSUVは、広いラゲッジスペースにスポーツ用の機材を積んで出かけるためのクルマだった。だが、ブームにより車種が増えると、普段使いの要素を重視した都会的なイメージのSUVが増えていった。

 そうしてアーバンオフローダー的なモデルが人気になると、大柄なボディの割にラゲッジスペースは狭く、単にタイヤが大径で堂々として見えるだけのクルマが増えたのだ。工業製品は売れれば正義であるから、SUVの範囲も広がって当然なのだが、そこには当然競争原理が働く。

 現在はランクルも広くSUVに含まれているが、そもそも悪路も走破できるクロスカントリー車と、“なんちゃって四駆”とも呼ばれていたSUV(スポーツを楽しむための運搬車)は、立ち位置が異なる。

 クロスカントリー車でも荷物は運べるから、より走破性の高さが求められるシーンでは重宝するが、現代の交通環境で使うにはオーバースペックともいえる。そんなぜいたく感がランクルの強みであり、現在の人気の要因の一つであることは確かだ。

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