三橋氏は学生時代から家業を継ぐことを考えていた。大学時代には父に連れられて蔵元を訪問したり、展示会に積極的に同行したりした。「セブン‐イレブンが地酒専門店に負けない日本酒の品ぞろえを実現できたら、面白いんじゃないか」――そんな構想を当時から温めていた。
大学卒業後は食品スーパーに2年半勤務し、現場を学んだのち家業に入った。親しくしていた酒販店仲間にアドバイスをもらいながら、自ら酒蔵を訪ね歩いた。
「酒販店は店舗のエリアが異なれば、明確なライバルにはなりません。お互いに情報交換しながら頑張っていこうと協力し合う同志でした。また、ちょうど蔵元の世代交代の時期に差し掛かり、同世代の蔵元が増えたことも転機になりました。少しずつ新たな縁をつないで、取引を広げていきました」
日本酒のラインアップが充実し始めた2016年頃、セブン‐イレブン津田沼店に転機が訪れる。同店を訪れた日本酒愛好家の1人が、日本酒がずらりと並ぶ店内の様子を「狂気を感じるラインアップ」という言葉と共に、SNSに投稿したのだ。
「その投稿がバズったことで急にメディアから連絡がきたり、お客さまが増えたりして驚きました。知名度が上がったことで蔵元さんとの取引もより進みやすくなり、酒の取扱数がさらに増えました」
現在も取引先の蔵元とのやり取りは、基本的に三橋氏が担う。日本酒のイベントや展示会にも足を運び、テイスティングを重ね、ほれ込んだ酒があれば酒蔵に直接出向いて話をする。店頭で販売する日本酒は約350〜400種類に上る。加えて、現在も数軒の蔵元に通い続けているという。
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