管理職の状態は本人の能力だけでなく、メンバーの行動をどう認識しているかによっても左右される。積極的支援の土台があれば建設的批判も成果に結びつき、土台がなければ同じ批判が逆効果になる。管理職を個別に鍛える従来のアプローチだけでは、この構造は変えにくい。
入江氏は「管理職個人の能力開発だけでなく、管理職とメンバーの相互作用に着目した組織づくりが求められている」と語る。
リーダーとメンバーの信頼関係を「らせん構造」として捉える研究も、九州大学の池田浩准教授のもとで進められている。リーダーがメンバーを信じることが起点となり、メンバーの被信頼感(信頼されているという感覚)が高まり、それがリーダーへの信頼を生む。
ただし、リーダーはメンバーが思うほどにはその信頼を感じ取れず、孤独に陥りやすいという。信頼は「持つ」だけでは足りず、「伝え合う」仕組みが必要だということだ。
罰ゲーム化の議論は、これまで制度設計や業務量の削減に集中してきた。それ自体は重要だが、管理職の負担を「仕事の量」の問題としてだけ捉えている限り、本質的な解決には至らないのではないか。
メンバーが管理職をどう支え、管理職がその支えをどう認識するか。この相互作用にまで踏み込んだ組織設計が、罰ゲーム化を解消するカギになりそうだ。
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