顔認証サービスの利用者は、利便性よりも「安全性」や「認証精度」を重視している。ICTの市場調査を手掛けるMM総研(東京都港区)が、15歳以上の日本在住者2万83人を対象に実施した「顔認証の社会受容性調査」で分かった。
スマートフォンや各種サービスで、指紋や顔などの「生体認証」を利用した経験がある人は62%だった。内訳は「日常的に利用している」が38%、「たまに利用する」が14%、「過去に数回利用したことがある」が10%だった。
顔認証の利用経験者は「日常的に利用している」が23%、「たまに利用する」が16%、「過去に数回利用したことがある」が11%で、合計50%に達した。
また、空港や駅、病院など公共施設・交通機関で顔認証を利用した経験がある人は「日常的に利用している」が9%、「たまに利用する」が12%、「過去に数回利用したことがある」が9%で、合計30%だった。社会インフラ領域でも顔認証が浸透しているようだ。
一方、公共の場で顔認証を利用しなかった理由については「機会がなかったから」(機会があれば利用した)が75%を占めた。「プライバシー保護の観点で恐れや不安を感じたから」は10%にとどまり、利用機会や導入環境の整備が今後の普及拡大のカギとなりそうだ。
ただし、実利用者の本音には、見過ごせないリスクも潜んでいる。
公共施設・交通機関で顔認証を利用した経験がある1000人に不安な点を聞いたところ「情報漏えい時の悪用リスク」が78%(非常に感じる35%・やや感じる43%の計)、「同意なき目的外利用」が76%(非常に感じる32%・やや感じる44%の計)など、6項目で不安を感じるとした回答者が7割を超えた。
公共サービスでの顔認証の普及には、セキュリティ対策に加え、利用者への説明や透明性確保も求められそうだ。
「すごい技術なのに、用途が見つからなかった」 日立・東武が見いだした生体認証の出口戦略
カードやアプリの提示が不要に? NECが顔認証で変える「ロックフェスの体験設計」
財布もスマホも不要、「指先で決済」 日立×東武が描く“ポスト・キャッシュレス”社会とは?
NEC社長が語る経済安全保障 AIは“人間超え”、万博は“顔パス”――全方位戦略の正体
NECが万博で展開する顔認証 DXで培った「入場から決済まで」できる技術
NEC社長に聞く「フィジカルAI」の勝算 「AI・DX事業で1兆円」への手応えと課題は?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング