こうした約10年にわたる地道なカルチャー醸成があったからこそ、SMBCグループはAIという未知の領域にもいち早く巨額の投資を決断できた。「CDIOの300億円とは別に、AI利活用のために500億円の予算を設けました。懸念があっても、多少は目をつぶってとにかく前に転がす。CDIOミーティングを実施してきたことで、経営陣を含めて『一定のリスクを許容しながら進める』ことに慣れているんです」と磯和氏は語る。
そして今、磯和氏が強い熱量を持って注力しているのが、大企業とスタートアップを結び付ける「イノベーション・カタリスト」による取り組みだ。
これまで同社はスタートアップへのファイナンスを大幅に拡大し、目標以上の成果を上げてきた。しかし磯和氏は「日本社会の構造は変わっていない」と危惧する。
「大企業とスタートアップは、同じ日本語を話していても意味が全く違います。大企業の『ちょっと検討します』は早くて3カ月後ですが、スタートアップのそれは『明日から』です。この時間軸や文化の違いを通訳し、結び付ける存在が必要です」
4月から10人の専任メンバーが動き始め、既存事業で蓄積してきた2000社以上のスタートアップのデータなども活用しながら、両者の化学反応を仕掛けている。スタートアップが大企業に買収されるだけでなく、豊富な資金を得たスタートアップが大企業の技術を買収するような、非連続なイノベーションを日本から生み出すことが目標だ。
「僕らのKPIは『日本経済のパイを大きくすること』です。日本の成長は、我々の既存事業の利益に直結します。日本発で世界市場に挑戦する“大谷翔平級”の企業を生み出したい。非連続なイノベーションを起こし、世の中を驚かせることを目指します」
三井住友「Olive」はどこまで広がるか “ナンバーワン連合”で狙う1200万口座
「いまだキャッシュレス未対応」の領域、どう攻める? 三井住友カード×世界最大フィンテック提携で「中小店舗のOS化」狙う
「売上の4.7%が消えている」――企業の“見えないコスト”に変化、動き出すキャッシュレス1000兆円市場Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング