ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
デジタル化によりマーケティング手法が多様化する中、「売り上げは伸びているのに、なぜか利益が出ない」と悩む企業は少なくありません。実は、売り上げには会社の利益に貢献する「良い売り上げ」と、損失を生み出す「悪い売り上げ」が存在します。
本記事では、P&Gやロート製薬、スマートニュースなど多種多様な企業でマーケティングをけん引し、これまで470社近くの経営・マーケティング支援を行ってきた西口一希氏(Strategy Partners および Wisdom Evolution Co. 社長)が、「良い売り上げと悪い売り上げ」というテーマで、マーケティング担当者が陥りがちな罠や、利益率を改善するための具体的な分析手法や戦略について解説します。
本記事は1月27〜2月25日に開催した「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026冬」内の講演、Strategy Partners および Wisdom Evolution Co. ・西口一希社長による「継続的に利益貢献する『良い売上』へのマーケティング」の内容を記事化したものです。
現在、マーケティングの環境はデジタル技術やAIの発展により激変しています。「〇〇マーケティング」と呼ばれるものは115種類以上も存在し、複雑化しています。この現状において、マーケティングの成果を阻む最大の要因となっているのが「マス思考・平均値の罠」です。
マス思考・平均値の罠とはつまり、全体をざっくり捉えた平均値で意思決定をしてしまうと、本質を見誤るということです。例えば、ある商品に対して1万人規模のコンセプト評価アンケートを行ったとします。平均スコアが3.2の無難な「コンセプト1」と、平均スコアが2.5と低い「コンセプト3」があった場合、多くの企業は平均値が高い「コンセプト1」に投資しがちです。
しかし、解像度を上げて、数字の内訳を見てみるとどうでしょうか。「コンセプト3」には「絶対に買う」という熱量の高い顧客が20人います。熱狂のない平均的な商品よりも、この20人のインサイトを徹底的に掘り下げて獲得する方が商品の成功率は圧倒的に高くなります。また、「絶対に買わない」という層の声を聞くことで、新たなコンセプトのヒントを得ることも可能です。平均値ではなく、顧客の熱量を見極める「解像度の高さ」が求められています。
このように、全体をざっくりと平均で捉えるのではなく、「解像度を上げる」というアプローチはマーケティング活動の結果である「売り上げ」を評価する際にも同じことが言えます。マーケティング活動において、全ての商品の売り上げが等しく利益を生むわけではありません。売り上げには明確に「良い売り上げ」と「悪い売り上げ」があります。
悪い売り上げ(損失を生む売り上げ)とは、1回きりで終わってしまう新規顧客からの売り上げを指します。新規獲得には広告費や販促費といった多額の集客コストがかかるため、初回購買の時点では実質的に「損失」となることがほとんどです。
一方、良い売り上げ(利益を生む売り上げ)とは、商品やサービスを気に入り、継続的にリピートしてくれる既存顧客からの売り上げを指します。自発的に来店・購買してくれるため追加の販促費がほとんどかからず、高い利益をもたらします。
危険なのは、会社全体の「売上総合計」だけを見て目標を立ててしまうことです。売り上げの半分が「悪い売り上げ(損失)」であった場合、合算された表面上の売り上げだけを追い求めてさらに事業を拡大しようとすると、悪い売り上げばかりが積み上がり、やがて営業利益率が低下して赤字に転落する恐れがあります。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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