近年、菓子やパンなどを扱うドラッグストアが増えている。先ほど出したドラッグストアコスモスも「おいしい総菜」というプライベートブランドを展開するほど食品分野を強化しており、ウエルシア薬局も「ドラッグ&フード戦略」を成長エンジンと位置付けている。
ここでセブンにとって問題となるのが、この食料品の中身だ。マイナビが2025年6月、23〜29歳の男女314人を対象にドラッグストアの活用実態を調査したところ、ドラッグストアで購入予定がなかったにもかかわらず、つい買ってしまう商品カテゴリでは「菓子」(29.4%)がトップだった。
先ほどのティーンのコンビニ消費についての調査を思い出していただきたい。唐揚げや肉まんを押さえてトップは「グミ」、5位には「菓子パン」も入っている。これらは全て、ドラッグストアコスモスやウエルシア薬局でも買えるものだ。
ここまで言えば、筆者が何を言いたいかお分かりだろう。セブンに10代の足が向かないのは、コンビニで買いたいものは、ドラックストアでも買えるからだ。しかも、コンビニよりも安い場合多い。そんなドラッグストアがドミナント戦略で出店を進めていけば、かつてセブンが成功したように、商圏内の10代顧客シェアを握っていくのは当然だろう。しかも、そのような形でセブンを苦しめているのはドラッグストアだけではない。
首都圏でコンビニと競合するエリアにドミナント出店を進めていることから「コンビニキラー」の異名を取る「まいばすけっと」は2021年には約1000店舗だったものが2025年には1323店舗となっている。
セブンをコンビニ王者に押し上げるだけにとどまらず、社会インフラと呼ばれるまで成長させた「ドミナント戦略」によって、今度はセブン自身が苦境に追いやられるというのは、なんとも皮肉な話である。
ただ、長い目で見ればこれはセブンにとって悪い話ではない。本格的な人口減少時代到来を前に「ドミナント戦略の見直し」に踏み切る契機になるからだ。
本連載で繰り返し指摘してきたが、日本の人口増時代に生まれたこの事業戦略は、人口減少に転じたことで一気に逆回転してさまざまな問題を噴出させている。
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