ゲームフルデザインを用いていかにビジネス課題を解決していくか。
企業を取り巻く環境は日々、変化している。新規顧客の獲得単価は上昇を続け、広告で大量集客するだけでは採算が合いにくくなっている。よって、昨今は一度獲得した顧客に継続利用してもらうことが重視されている。
その文脈で注目されるのが、優良顧客に特典を与える「ロイヤルティプログラム」だ。
伊藤氏は、多くの企業が「顧客ID管理」がロイヤルティプログラムだと解釈している節があると指摘する。
本来の目的は顧客とつながり続けることであり、顧客が「使い続けたい」と感じる体験を作ることにある。ID管理やポイント制度は、そのための手段にすぎない。現状は多くの企業が手段の目的化に陥っているという。
顧客に「使い続けたい」と感じてもらうためには、どうすればいいのか。
UXやCXへの取り組みは広く浸透したが、その多くはストレスのない滑らかな体験を追求するものだった。しかし、利便性だけでは差別化が難しくなっている。
これから求められるのは、記憶に残る体験や、次も利用したくなる感情の設計だと伊藤氏は指摘する。ゲームが長年培ってきた人間理解の知見が、こうした課題に活用できると考えている。
「ゲームビジネスでは、敵を倒した時のポジティブな感情の幅を大きくするために、あえてユーザーにストレスを与える仕掛けを意図的に作る。予定調和ではなく、非予定調和が使い続けてもらうためには大事な考え方なのではないか」
企業が顧客との関係を継続的に築いていくためには、機能や価格だけでなく、人が思わず動きたくなる理由を設計することが重要になる。ゲーミフィケーションは、そのための一つのヒントになるのかもしれない。
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