OSSとして公開する理由は2つあります。
一つは、以前の記事で触れた「サイエンス」(同じ条件であれば、誰がやっても同じ結果を再現できること)の観点です。自治体DXにおける再現性の課題は、手順書が「オープン」で「触れる」ことで解決に向かいます。Open GENAIは、コードが公開されており、誰でも中身を確認・改変できます。またDifyによるワークフローはその挙動が追跡可能です。「なぜその挙動になるのか」を追えることは透明性をもたらします。
もう一つは、コミュニティによる改善です。一個人の手で全てを網羅することは容易ではありません。しかし、OSSとして公開すれば、同じ課題を抱える他の自治体の担当者や開発者が、改善や拡張に参加できます。
もしOpen GENAIのソースコードに誤りがあれば、あるいはOpen GENAIの機能拡張に関する思想で、筆者の考えが誤っているのならば、前回の記事でも紹介した「カニンガムの法則」により多くの人から誤りを指摘されることになります。
源内の公開は、筆者にとって大変興味深い出来事でした。民間企業が開発している同種のサービスは多機能であり、政府がAIプラットフォームをOSSとして公開した、その姿勢は高く評価しています。
一方で、クラウド依存という前提が付くことで、自治体の現場からは「自分たちの環境では動かせない」という距離感が生じてしまいました。
Open GENAIは、その距離を縮めるために作りました。源内の機能を、自治体の手元にある環境で、自分たちのデータを外に出すことなく、試せるようにする。そして、Dify連携によって、自分たちの業務に合わせてAIを拡張できるようにする――。
AIは、まだまだ発展途上の技術です。完璧な完成品を待つのではなく、現場で触りながら改善し、自分たちのものにしていくフェーズにあります。そのためには、自分たちの手元で動き、中身が見え、拡張できる基盤が必要です。Open GENAIが、そのような取り組みを後押しする基盤の一つとなれば幸いです。
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自治体DXを阻む「三層分離」の壁 国主導のゼロトラスト移行に、現場が抱く“決定的な違和感”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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