今回の事案の解決策はシンプルだ。依頼側は相手によって「壁打ち」という言葉を使うかどうか、見極めて言葉を選ぶべきだ。壁打ちという言葉自体がまだビジネスの場で浸透しきっていない以上、目上の人に対しては使わないのが無難だろう。
また、受け手側は、相手の会話に違和感があれば本人へ直接伝えれば良い。いずれの立場であっても、当事者間の文脈に依存する個別的なコミュニケーションは、当事者間で処理すべきであり、外野が介入する余地はない。
ただし、この事案をあなどってはいけない。なぜなら、人と人とのコミュニケーションは、まさにこのような小さな摩擦をきっかけに大きな対立に発展することがあるからだ。
言い換えただけで避けられたはずの摩擦が、双方の人格攻撃の応酬により、世代間の対立にまで膨らんだ。こうした事態は、職場だけでなく家庭でも起こる可能性がある。
裏を返せば、今目の前にいる相手への配慮と、相手の意図を汲もうとする姿勢こそが、職場の対立の芽を摘むもっとも健全な道である。相手に対する一つ一つの小さな配慮を軽視しないこと。それが本件から引き出すべき重要な学びだ。
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