「そんなのただの偶然でしょ」と思うかもしれないが、「大泉東小泉店」は「スバル大泉工場」から車で8分。太田下浜田店は「スバル矢島工場」の目と鼻の先で車でわずか2分、太田内ケ島店もスバル本工場まで車で7分ほどの立地だ。この傾向は太田市と隣接する大泉町と桐生市でも確認される。桐生広沢町1丁目店もスバルグループ・桐生工業の本社工場まで車で約8分だ。
10店舗のうち5店舗がスバル製造拠点エリアにあるということは、さくらみくらが進める「実験」は、この立地にこそ意味があるのではないか。
スバルの工場には大きくて立派な食堂が併設されているので、徒歩圏内にコンビニをつくってもあまり利用されない。しかし、工場から車で数分のロケーションならば、仕事が終わって車で自宅に帰る途中に立ち寄ってもらえる。
運転中に飲めるコーヒーや軽食、家で使う生活用品、さらに、自炊をしない単身者やテークアウトで済ませたい人には、「できたて弁当」を購入してもらえる。そこで「さくらみくらは安くておいしい」という評価を得られれば、スバルの従業員の間で口コミが広がる。
また、スバルに部品を納入するサプライヤー企業の中には、規模的に自社食堂を備えていない企業もある。そういう人々がお得意様になってくれたら、スバルグループや関連企業の間で「さくらみくら」の認知度が上がっていくかもしれない。
そうした「企業城下町マーケティング戦略」を実験的に確かめている可能性はないか。「さくらみくら」という屋号の「みくら」(御蔵・御倉)とは一般的に、神宝や貴重な物品を納める「重要な蔵」を意味することが多い。もちろん、深読みかもしれないが、この実験コンビニの裏コンセプトは、日本のモノづくり企業を支える商品を納める「重要な蔵」という発想なのではないか。
そう考える理由は、スバル城下町以外の立地にもある。「館林瀬戸谷店」は、「カルピス」を製造するアサヒ飲料群馬工場から車でわずか4分の距離にある。他店舗の周辺を見ても、大小さまざまな工場が立地している。
さらに特筆すべきは、これらの店舗の周辺には弁当店が競合として存在することだ。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
焼肉店はなぜ急に苦しくなった? ロピアの急成長で見えてきた「新たな競合」
なぜ大阪と浅草でニュースが“逆”になるのか 中国人観光客報道の舞台裏
なぜ「皮だけ」「ガリだけ」が売れるのか 販売データで見えたドンキ「偏愛めし」の買われ方Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング