実際、コンビニ市場に参入しようという「新参者」たちの動きを見ても、「ドミナントよりもマルチフォーマット」を強く感じる。
例えば、ドン・キホーテはZ世代をターゲットにしたカラコンや化粧品、菓子などを中心に扱う「キラキラドンキ」を全国で8店舗を展開。大阪府内の3大学では、コンビニよりも小規模な無人店舗「キャンパスドンキ」も展開している。
専用アプリに登録すればレジに並ばずに買い物ができる利点のほか、小規模であることを生かして、利用者である学生にアンケートを実施し、品ぞろえを決めている。大学内のコンビニが抱える「レジ待ちの長さ」や「品ぞろえの課題」を解決している。
「キャンパスドンキ」に慣れ親しんだ学生が社会に出たとき、職場が入るオフィスビルに「オフィスドンキ」ができていたら自然に受け入れるだろう。店舗数の拡大ではなく、顧客とのエンゲージメントを高めることでLTV(顧客生涯価値)の向上を目指す、新しい方向性を示す業態だ。
このように「客」や「立地」に合わせて店舗フォーマットや品ぞろえを柔軟に変えていくマーケットインの発想は、ドミナント戦略とは対照的だ。
「なにがあるかな、セブン-イレブン。」というCMのキャッチコピーが示すように、コンビニ側がマーケティング力を駆使して「客」がワクワクするものを先回りして開発。それを高密度な出店と高度な物流・流通システムによって広めることで、商圏内のブランド力やロイヤリティーを高めていく――。こうしたプロダクトアウト型の発想が、ドミナント戦略の根底にはあるのだ。
では、マルチフォーマット戦略以外にはどんな戦い方があるのか。個人的には「ローカライズ戦略」ではないかと思っている。
地域の風土や文化、客層を徹底的に調査したうえで、その土地の人々に愛される商品、サービスを提供する「地元色の強い個人商店的コンビニ」を目指していく戦略だ。
丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
焼肉店はなぜ急に苦しくなった? ロピアの急成長で見えてきた「新たな競合」
なぜ大阪と浅草でニュースが“逆”になるのか 中国人観光客報道の舞台裏
なぜ「皮だけ」「ガリだけ」が売れるのか 販売データで見えたドンキ「偏愛めし」の買われ方Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング