例えば、「笠懸阿左美(かさかけちょうあざみ)店」は、道を挟んだ向かいにコメダ珈琲、斜め向かいには弁当チェーン「ほっともっと」がある。「伊勢崎境上渕名(いせさきさかいかみふちな)店」は、すぐ隣にセブンがあり、少し先には「ニューまごころ弁当」がある。「太田内ケ島(おおたうちがしま)店」も200メートルほど先には「ほっともっと」とセブンがある。
企業城下町で、できたて弁当を武器に支持を広げようとする場合、競合となるのは既存のコンビニや弁当チェーンだ。それらに対してどれほど優位性があるのか、どれほど選ばれているのかというデータを収集しているようにも見える。
もちろん、これらは全て筆者の想像に過ぎない。ただ、確実に言えるのは、ゼンショーもドン・キホーテも、ローソンやファミマも、もはやコンビニを次々と出店して商圏支配を強める従来型の「拡大路線」とは異なる方向へ進んでいるということだ。
住宅業界にも似たような構図があるが、企業というのは苦しいときこそ「拡大路線」を推し進めたほうがラクな場面がある。
「産めよ増やせよ」ではないが、新しい立地を見つけて、店舗を新たに出店したほうが売り上げは上がる。工事をする側も、物流を担う企業も、そして社内でも仕事が増えるため、「成長している」と錯覚しやすい。だから、「ムラ」の中では反対の声はほとんど上がらない。
しかし、冒頭でも述べたように、このビジネスモデルは日本の人口が右肩上がりで増えていたから成立した。子どもの数が減り、高齢化が進み、消滅自治体が雪だるま式に増えていくこの国で「拡大路線」を続けることが、結果として衰退を早める可能性もある。
絶対王者セブンがその変化にいつ気付き、「拡大路線」から方針転換するのか。今後も注目していきたい。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受
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