常に目標を達成させる「常勝集団」をつくるために、キラキラしたビジネスtipsは必要ない。組織マネジメントを専門とする横山信弘氏が、本質的なマネジメント論を「キレイごとナシ」で解説する。
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
「AIで動画を作ってみました」
社内のアイデアコンテストの発表会でそう切り出した社員が、会場から大きな拍手を浴びていた。上映された映像は確かに映画さながらで、一人で作ったとはとても思えない出来栄えだ。しかし、その動画が業務にどう役立つのか、最後まで私は理解できなかった――。
似たような光景は、今、多くの企業で繰り返されている。生成AIが職場に浸透し、社内でAI活用を促す動きが活発になった。しかしその活用・推進が空回りしているケースが目立つ。
そこで今回は、なぜ多くの企業が形だけのAI活用を賞賛してしまうのか、その構造を解説する。経営者や管理職はもちろん、上司からAI活用を求められている社員も、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
生成AIを使いこなさないと現代のビジネス環境では取り残される――そんな焦燥感からか、昨今多くの企業が、社員から「AI活用アイデア」を募るコンテストを実施している。
そして、優秀なアイデアをもたらした人には賞金などのインセンティブを付与する。そんな催しが開かれているという話を、仕事上よく聞くようになった。
そんなコンテストには「生成AIで動画を作ってみた」「全社データを学習させたAIエージェントを作った」といったものが集まってくる。プレゼン資料は一見美しく整っていて、AIエージェントという言葉の響きがいかにもスマートに聞こえる。そしてそういう発表ほど評価されやすい。なるほど、わが社もAIを積極的にビジネスを取り入れるために、活発な議論がなされるようになった。よかったよかった――。
本当にそれでいいのだろうか?
素晴らしいアイデアがあったとして、それがAIを使わずに生まれたものだったら、評価されないのか。ノートに手書きでアイデアを書き出し、何度も練り直して形にした人がいたとする。そのプロセスがもしアナログだったら、評価に値しないのか。
そんなはずはない。コンテストが本来問うべきは、アイデアの中身だ。そのアイデアを生み出すプロセスに、AIを活用していたかどうかは本来関係ないのだ。
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