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年間10万件の「顧客の声」を発注会議に直結 AOKIが競合視察で掴んだ「VOC経営」の凄み(2/4 ページ)

» 2026年10月06日 07時00分 公開
[河嶌太郎,ITmedia]

年間10万件の「顧客の声」を分析 発注会議で議論する組織に

――カジュアルやレディースの領域には大手の競合も多い状況です。AOKIならではの勝ち筋はどこにあるのでしょうか。

小出: 先述した通り、スーツ作りで培った力をカジュアルやレディースにどう転用するか。これが当社の技術であり、当社だけの強みになります。

 例えば、パジャマスーツに合わせるTシャツ1枚をとっても、パターンに非常にこだわっています。当社では「スーツ屋の仕立てたTシャツ」というネーミングの商品を販売していますが、顧客は「何だろう」と思いますよね。そこに接客が付いて「パジャマスーツのインナーとして、実はここのパターンにこだわっています。ぜひ合わせてみてください」と提案する。こうして客単価を上げていく技術もAOKIにはあります。

――ファッション事業では、顧客のニーズを商品に生かすため、データ活用に力を入れています。具体的にどのような取り組みをしているのですか。

立川: 2022年に始めたVOCの取り組みがそれに当たります。当初は担当者が他の業務と兼務していましたが、取り組みを強化するため、2026年5月から専任を2人置いています。

 VOCの見える化には、多くの企業が取り組んでいます。当社も始めた当初は、想定以上に社内へ浸透しました。現在は商品の発注会議をはじめ、さまざまな会議でVOCを定量的に分析し「ビジネスカジュアルやレディースではこう生かす」と具体策を議論しており、それが当たり前になっています。

 当社に寄せられるVOCは、年間約10万件に上ります。好意的な声もあれば、お叱りの声もあります。2022年以降、こうした声に正面から向き合う取り組みを強化してきたことも、グループの連結売上高で首位を取れた要因の一つです。

photo AOKIの立川延之専務

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