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年間10万件の「顧客の声」を発注会議に直結 AOKIが競合視察で掴んだ「VOC経営」の凄み(3/4 ページ)

» 2026年10月06日 07時00分 公開
[河嶌太郎,ITmedia]

競合視察が変えた意識 「数字に表れない声」を発注に生かす

――VOC専任の2人はどんな体制で動いているのですか。また、VOC活用を始めたきっかけを教えてください。

立川: 2人とも私の担当部門に所属しています。もともとは別の業務と兼務していましたが、専任にしました。

 2022年にファーストリテイリングをはじめ複数の企業を視察し、VOCを経営に生かしている様子を目の当たりにしました。当社でもぜひ取り組みたいと考えて始め、現在はVOCを経営判断に生かしています。

――発注会議では、VOCを具体的にどう活用しているのですか。

立川: 従来の発注会議では、商品部が「3C分析」をまとめていました。3C分析とは、市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの観点から事業環境を整理する手法です。市場でどんな商品にニーズがあり、どの競合が支持を得ていて、顧客がどんな買い物をしているかを把握します。

 ただ、そこで使っていたのは、商品部が自ら集めた情報や、市場の状況に限られていました。それも重要なのですが、現在は年間約10万件という大きな母数のVOCがあります。例えば「シャツはこういう柄より、こういうものが欲しい」「ストレッチ素材はこういうものが欲しい」「もっとしわになりにくいものが欲しい」といった声です。当社が力を入れて訴求している機能よりも、別の機能の方が顧客に響いていたと分かることもあります。

 社内にはこうした声を定量的に分析できるツールを導入しています。私の部門のメンバーが分析を回してデータとして商品部に渡し、商品部の担当者がそれを来期の発注や商品の改善につなげています。

――VOCを反映したことで、在庫を効率的に回せるようになったのでしょうか。

立川: それは間違いなくあります。数字に表れないVOCを、商品の発注や在庫の持ち方などに生かせるようになりました。これは大きな前進だと考えています。

photo 「数字に表れないVOC」を商品発注や在庫の持ち方に生かしている

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