役職定年制度を見直した例として参考になるのが、太陽生命保険だ。同社は2017年に、定年年齢を60歳から65歳に引き上げると同時に、57歳での役職定年制と特別職員制度(非役職者も役職定年者と同様に処遇を引き下げる制度)を廃止した。
その際、職責を果たさない人が管理職を続けることを防止する策として、管理職に求められる能力認定要件を見直し、降格要件を厳格運用することも決めている。
給与については、新入社員から65歳定年まで同じ制度を適用することにより、57歳から65歳まで段階的に処遇を引き下げていた旧制度と比べて、社員の生涯賃金が平均15%以上増加したという。加えて2020年に給与体系を改定し、固定部分である資格給を縮小する一方、成果給や職位手当といった変動部分の拡大、人事評価を処遇へ反映する比率の引き上げも行い、社員のモチベーションの向上を図っている。
同社では、シニア社員に共通する特徴として、これまでの業務経験を生かした折衝力や会社全体を俯瞰(ふかん)できる能力があるとし、内部監査部や総合リスク管理部に加えて、お客さま相談窓口など直接顧客とコミュニケーションをとる業務での活躍に期待しているという。
また、全国からシニア層の中間管理職を集めて総合研修を開いたり、マネジメントやコンプライアンスなどに関する通信講座を提供したりして、さらなる成長の機会も提供している。
このように「あなたは会社にとって必要な存在で、さらに成長して活躍してほしい」と伝えることも、ミドル・シニア社員のモチベーションを引き出し、能力を発揮してもらうためには重要なことだ。
(参考:「日本の人事部」「高年齢者活躍企業事例サイト」)
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