AIブームも数年が過ぎた。“様子見”していた企業は「AI導入」に本腰を入れ、先行する企業は「AIの利用から活用へ」と進み始めている。そんな流れを阻む「現場のボトルネック」をどう解決すればよいのか。AI推進役、情シス、ユーザー部門、経営層――社内を巻き込むAI導入、その推進ポイントを「架空事例」を基に解説する。
「ChatGPT」の登場によって始まった“AIブーム”。「社員向けにAIチャットツールを導入すること」それ自体が評価される時期はもう過ぎ、費用に見合う成果が問われ始めた。
AIツールの管理画面上に表示される「利用率は85%」「作業時間を25%削減」「削減時間を時給換算すると月500万円分になる」といった数字を経営会議に持ち込んでも「それで何が変わったのか」と問い返されることが多い。
AI導入における「成果の測り方」と「経営効果」のギャップに悩むAI推進担当は、どうすればよいのか。AI導入を支援する筆者が受けた複数の相談を基に、架空のケースを例にして解説する。
従業員約1万人の大手製造業A社で、AI活用を担うDX推進部の部長が、こんな悩みを抱えていた。
前年度に「Microsoft 365 Copilot」(以下、Copilot)を約2000人に展開し、管理画面に出る毎月数千時間の「アシスト時間」を時給換算して役員会に報告しました。
ところが役員からは「残業代も人件費も減っていない。この数字は何を意味するのか」と問われ、答えに窮してしまいました。来期のライセンス継続を前に、成果の示し方に悩んでいます。
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