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2週間で新モデル投入 Google復活の裏にある「AIがAIを作る力」の急伸力(2/2 ページ)

» 2026年11月04日 07時00分 公開
[湯川鶴章、エクサウィザーズ AI新聞編集長]
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「開発が遅れている」批判から半年 研究者とAIが二人三脚の体制へ

 GoogleがRSIを最優先し始めたというクリシュナン氏の推測は、同社内部の動きとも合致する。ロイター通信は8月、Googleの共同創業者であるセルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏が社内での影響力を強め、計算資源や人員をRSIなどの重点領域へ強制的に振り向けていると報じた。

 AI新聞は4月、Googleの開発現場においてAIツールの活用が遅れているという実態を取り上げた。元Google社員が、同社のエンジニアのうちAIに自律的にコードを書かせる「エージェント型」で開発しているのはわずか2割程度であり、残りの大半はAIの補助を受けつつも自分でコードを手書きしているとX上で暴露したのだ。

 これに対してGoogle側は強く反論したものの、ピチャイ氏自身も後に、エージェント型コーディングの実装において他社に「少し遅れている」と認めざるを得なかった。

 それから半年。ブリン氏は10月、Argonに関する座談会で「今では研究者とモデルが一緒になって、次のモデルを開発している」と明かした。ピチャイ氏もまた、ブリン氏が主導したRSIへの注力がArgon開発における極めて重要な要因であったと認めている。

photo 米Google本社

Googleは本当に復活したのか

 クリシュナン氏はArgon発表直後のXへの投稿で、AIの知能が人間の研究者を上回るにつれて、RSIの能力こそが「その企業が業界の最先端にとどまり続けられるかどうかを占う先行指標」になっていくだろうと述べている。

 RSI Indexにおける急伸と、わずか2週間でのCarbon投入。この二つの事実は、いずれも「AIでAIを作る力」がGoogle内部で急速に確立されつつある証拠と解釈できる。同社がAI競争のトップ集団に力強く返り咲いた背景には、創業者のブリン氏がRSI能力の獲得へ開発の舵を大きく切った決断があったと言えそうだ。

 果たしてGoogleは真の完全復活を遂げたのか。Vals AIはCarbonのRSI Indexをまだ公表していない。今後明らかになるCarbonのスコアと、Googleが次のモデルを世に送り出すまでの間隔が、その真価を証明することになる。

本記事は、エクサウィザーズが運営するAI新聞内の記事「Google復活の背景に『AIでAIを作る力』の急伸」(2026年10月31日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。

著者プロフィール

湯川鶴章

AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。


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