ふたつのCがあなたのものに――「プジョー207CC」(後編):+D Style モテるクルマの選び方
「クーペの美しさ」に「オープンカーの開放感」という“モテるクルマ”の条件をあわせ持つ「プジョー207CC」。「前編」に引き続き、207CCのしなやかな走りと、上品なシート、意外と広いラゲッジスペースなどを紹介。
電動ルーフでカブリオレからクーペに変身する様子がカッコイイ「プジョー207CC」。「前編」に引き続き、207CCの魅力を紹介しちゃいます。
さて、今回の車両は207CCの中でも、「207CCレザー」という、ベースグレードにレザーシートを装着したモデルでした。レザーはなんと4色から選べるのですが、今回は「フュージョン」というカラー。何がフュージョンしてるのかっていうと、黒とシックな赤がフュージョンしてました。
ともすれば下品か、スポーティになりがちな配色ですが、赤の微妙な渋さによって、とってもエレガント。イタリア車のようなわかりやすい色気ではないけれども、これが「エスプリ」って言うのかしら?
お仕事なんかであんまり目立つ色のクルマを選べない人は、こんな風に車内の配色で差をつける、っていうテもありますよね。このグレードで4色の展開があるのは嬉しい限りです。
走り出すと、そのしなやかさにときめきます。
プジョーのサスペンションは「猫足」と呼ばれていますが、特にタイトなS字コーナーなんかに入ったときの左右に振れる加重移動が、ふわっと優しいのにふらふらする気持ち悪さがまったくなくて、くるん、くるんと気持ちよくコーナリングをサポートしてくれます。シートの形状もしっかりしていて、カラダがシート内で動くこともありませんでした。
前回のセルボSRでもシートの形状に触れましたが、特に素材的に滑る特性のあるレザーに関しては、その設計が大きなキーを握ります。
プジョーのシートは、若干タイトに設計されているような感じ。大柄な男性が座ったら、ちょっと窮屈に感じてしまうかもしれませんが、私にはピッタリでした。
また、この車格にしてはラゲッジ(荷室)が広いのもうれしいポイント。
オープン時には、格納した屋根の下に荷物をしまわなければならず、お世辞にもたくさん積めるとは言いがたいのですが、屋根を閉めてクーペにしてしまうと、370リットルものスペースがそこに現れます。
リットルで書かれてもわからんわい!と、私も色んな荷物をわんさか詰め込んで、どれだけ入るか試してみましたが、入るわ入るわ、ちょっとしたお引越しのお手伝いならできるくらいかもしれません。
また、あくまでもエマージェンシーサイズではありますが、室内は後部シートが2席あり、常に4人で移動するのはシビれますが、1人か2人で普段使いをするにはこの後部シートがいいお仕事をしてくれます。
ちょっとしたバッグや書類なんかを置いておくにはいいサイズ。ペットの専用席にしちゃってもいいですよね。
こんなに魅力的な207CCですが、残念なことに4速ATなので、高速域に入ると車内音が気になるほどにエンジンの回転が上がってしまうのが難点。しかし、普段街で乗ることが多い人なら、正直言ってコレで充分すぎるほどです。
低速での加速もすい〜っと伸びるし、「過不足ないコンフォータブルな走り」を実感できるでしょう。なによりも小回りクンなので、縦列駐車や車庫入れ、車線変更がとってもラクチン。
ヘッドランプの迫力で、ボディサイズの割りにとっても目立つ!! ので、ほかのクルマにナメられることもありませんでした。
歩行者にもアピールは充分!!
実際、目黒辺りを走っていたら、何回か振り返られたほどです。
よりパワフルな走りを求める人には、直噴ターボのスポーティバージョン、207CC GTもラインアップされています。これだと5速のMTに加え、レザー内装(シートだけじゃなくって、ダッシュボードやステアリングにもレザーを施してます!!)が標準装備です。
しかも、これは広報さんから聞いた情報なんだけど、ハッチバックの207に比べて、207CCの価格設定は、装備のワリにちょっとお得なんだって!! もちろん絶対的なお値段は高くなりますが、そのがんばったお値段分だけ、あなたにオープンのときめきを与えてくれることをお約束しましょう!
もう寒いって言ってるのに、今さらオープンカー薦めるなんて、ちょっと季節はずれなんじゃないの?!なんて眉ひそめたそこのアナタ!!
ふふん……ちがうんだな。
オープンマニアの間では、本当のオープンカーのオンシーズンは、空気が澄む冬、なんて言われてるの。シートヒーターや足元の暖房を利かせて、すっきりと身の締まるような空気を切って走ることこそ、オープンカーの醍醐味、なんて。
ま、でも本当のマニアって、一年中屋根空けてるんですけど、ね。
筆者プロフィール
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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