GfK Japan調べによる、コンパクトデジカメ販売ランキングをまとめた。先週に比べると、カシオ計算機「EX-Z2000」とパナソニック「DMC-FX66」が1位と2位を入れ替えているほか、キヤノン「IXY 30S」がランク外から登場するなどの変化がみられる。
コンパクトデジカメは卒業旅行や卒業・新入学、ゴールデンウィークの需要に応じた春先(2〜3月)に最も多くの製品が発表され、夏や冬のボーナス時にあわせての製品投入はあまり無い。そうした意味では、市場はまずイベントありきという動き方をしているのだが、特徴的な要素を備える“トガった”製品についてはその限りではない。今回のランキングでは「IXY 30S」がまさにそれにあたる。
「IXY」という極めて一般層製品向けのブランドを冠しながら、シリーズ初のF2.0レンズや裏面照射型CMOSセンサーといった特徴を備えており、スペックだけならば「PowerShot」ブランドの製品として登場しても違和感のないところだ。しかし、あくまでも「IXY」であるところにコダワリを見せており、シンプルな操作性で高い画質を実現している(→IXY初のF2.0レンズ&裏面CMOSセンサー搭載、「IXY 30S」を楽しむ)。
裏面照射型CMOSセンサーについていえばiPhone 4といったスマートフォンにも搭載されるなど、一般的な存在ともなりつつある。キヤノン「IXY 30S」のほか、ソニー「DSC-WX1」「DSC-TX7」「DSC-HX5V」、カシオ計算機「EX-FH100」、リコー「CX3」、ニコン「COOLPIX P100」、富士フイルム「FinePix HS10」といったデジタルカメラに裏面照射型CMOSセンサーは搭載されており、今後もその製品の数は増えるだろう。
ただ、デジカメの撮像素子がすべて裏面照射型CMOSセンサーになるかといえば、その答えはノーだ。裏面照射型CMOSセンサーの特徴は大きく分けて、裏面照射型であることに起因する高感度撮影時の画質向上、もうひとつはCMOSセンサーの特徴に起因する高速性となる。
後者は製品によって活用法が異なる(画像重ね合わせやハイビジョン動画などがある)が、前者については画質を上げるというよりも、高感度撮影時の画質低下をどれだけ食い止めるかというもので、そもそも高感度撮影時の画質劣化が少ない大型センサーを搭載できるならば不必要だと見るメーカーが多いようだ。
しかし、ボディサイズの関係から大型センサーを搭載できないコンパクトデジカメの場合、裏面照射型CMOSセンサーの搭載は暗所画質を向上させる有効な手段であることにかわりはなく、今後も搭載製品は増えていくだろう。
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