撮影モードは、「おまかせiAモード」のほか、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル、動画、マイカラー、シーンモード、アドバンスシーンモードに対応する。マイカラーとは、色や階調の表現を際立たせたモードのこと。鮮やかな色調の「ポップ」や色あせた雰囲気の「レトロ」、やや暗いアンバー調の「シック」など7種類の効果を選べる。
同社独自の撮影機能として「超解像技術」を備える。これは、撮影時に適用されるシャープネスを高めるデジタル画像処理を指しており、画像全体を一律に補正する一般的なシャープネス処理とは異なり、撮影画像を輪郭部分とディテール、グラデーションの3つに分けて、それぞれに最適な補正を施してくれる。
そのほか、発色傾向をカスタマイズするフィルムモードや、露出とコントラストを自動的に最適化する「暗部補正」、登録した顔に優先的にピントを合わせる「個人認識」、動体にAFが追従する「おっかけフォーカス」などの機能を搭載している。手ブレ補正はレンズ側での対応となる。
動画については、最大1280×720ピクセル/30fpsのHD記録で、記録フォーマットはMotion JPEGとなる。音声は内蔵マイクによるモノラル録音。これらの動画スペックは従来製品に見劣りするが、動画撮影中にフルタイムAFが快適に作動する点は、いわゆる一眼レフの動画モードに勝るアドバンテージといえる。動画撮影でのシーンの自動認識や、最大15人の顔認識も利用できる。
撮像素子は4/3型有効1210万画素のLive MOSセンサーで、処理エンジンには「ヴィーナスエンジン HD2」を搭載する。これらのスペックは、ひと足先に発売されたDMC-G2と同等のもの。初期設定の画質は、彩度やシャープネスを強調しすぎないナチュラルな描写で、細部までくっきりと描写する解像感の高さを確認できる。
感度はISO100〜ISO6400をサポートする。ISO6400の画質はかなりノイジーになるので、通常はISO100からISO800くらいまでの範囲で使うのがお勧めだ。
レンズは、手ブレ補正付きの標準ズーム「LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.」が付属。このレンズキットの発売のみで、ボディ単体での発売は今のところない。交換レンズは、魚眼や超広角、単焦点、高倍率ズームなど魅力的な製品がそろっている。
総じていえば突出した性能は特に見当たらないが、無難にまとまった使いやすいカメラだと思う。ポイントは、他のLUMIX Gシリーズとの性能差と価格差をどう判断するかだ。個人的には、バリアングル液晶の非搭載が大きなマイナスだが、バリアングル液晶を不要と考える人もいるだろう。同じく液晶固定式の「DMC-GF1」と比べた場合は、液晶ビューファインダーの有無とデザインの違いが大きい。バリアングル液晶は要らないが、液晶ビューファインダーは欲しい、薄型デザインを優先するよりも一眼レフ風のしっかりしたグリップが欲しい。DMC-G10は、そんな風に感じる人に向けたカメラだ。
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