2010年秋、GPS内蔵旅デジカメの本命がとうとう登場した。カシオ計算機の“EXILIM”「EX-H20G」(以下H20G)だ。ただGPSを搭載したのみならず、従来のGPS内蔵デジカメの欠点を可能な限り解消したエポックメイキングなモデルなのだ。
カメラとしては2010年春モデルのEXILIM H15の改良版(具体的には、エンジンが速くなり、各処理が高速化された)にGPS系の機能がついたもの、と思っていい。何はともあれGPSである。
カシオのGPSデジカメの特徴はふたつ。
ひとつは全世界の地図が内蔵されていること。これは楽しい。
撮影時は「現在地の地図」を見ることができるし、再生時は「撮影場所の地図」と近所の撮影お勧め観光スポット地図を見ることができる。カメラ内で撮影地の地図まで見られるのは新鮮な体験だ。
ただし、全世界を網羅した地図は縮尺が非常にあらく、海岸線や幹線道路が標示されるレベル。都市部になると少し細かくなり、主要都市の都心部のみ建物レベルの細かい地図が収録される。でもそもそも地図がわりに使うものじゃないのでしょうがない。
地図を見るのは簡単。本体上にある2つのボタンが地図用(H15ではメイクアップボタンだった場所だ)。左のボタンが現在地表示。右のボタンが地図表示モードへの切り替えで、押すたびに自分が撮影した写真の位置表示と、あらかじめ内蔵されている観光地撮影スポットの表示が切り替わる仕組みだ。
撮影時は画面下にランドマーク(や地名)を表示できる。ここで左右のキーを押して撮影場所のランドマークを見つけると、それをデータに書き込んでくれる。
もうひとつは位置情報の取得が超速いこと。その秘密がハイブリッドGPSだ。内蔵のモーションセンサーを併用することでGPSの欠点をうまく回避している。
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