さて肝心のカメラの話。
簡単に言えば35ミリ換算24〜240ミリ相当の10倍ズームレンズを持つコンパクト高倍率ズーム機で、撮像素子は1440万画素の1/2.3インチCCD(普及型コンデジが搭載するもの)だ。
H15をベースにしているが、エンジンがマルチCPUと2つの画像プロセッサで高速化されたため、各種処理が速くなりさくさく動くようになったこととと超解像処理を搭載したのが大きな違い。
ウリは「プレミアムオート」。プレミアムオートをオンにすると画像を解析し、シーンを解析して部分部分をコントロールして見栄えのする絵を作ってくれる。画面に「青空+緑」といった風に解析結果を表示してくれるのが楽しい。結果はこんな感じ。
これだけくっきり鮮やかにしてくれる。旅カメラとしては楽しい趣向だ。光学10倍ズームだが、超解像ズームをオンにすると15倍相当までデジタルズームできる(プレミアムズーム)。
超解像処理はオンオフ可能だが、プレミアムオート時は自動的に必要に応じてかかる。
左がプレミアムオートで、超解像が自動的にかかっている。右は通常のオートで超解像はオフ。等倍表示で見比べるとエッジ強調がかかりすぎな気もするが、一目瞭然(りょうぜん)である。
いろんなものを気持ちよく写真として残していく、というコンデジの観点からいえば、プレミアムオートを常用しちゃってよいと思う。プレミアムオート時は撮影後の画像処理に少し時間がかかるが、H15に比べると速く、ストレスにならないレベルだ。
細かい撮影設定は背面のボタンと液晶画面で行うのだが、EXILIMらしく、撮影設定はSETボタン+十字キーでわかりやすくサッと行える。
マクロ撮影は自動的に対応するシームレスマクロ。焦点距離によって撮影最短距離は変わるが、ズーミング時に最短撮影距離を表示してくれるのでそれを目安にするとよい。ワイド端ではレンズ前15センチまでだが、34〜40ミリ相当では7センチまで寄れる。寄って撮りたいときはワイド端から少し望遠側にずらすのが吉だ。
その他の細々としたことは作例コーナーで。
最後に総評を。
まずこのGPS機能はすばらしい。GPSの存在をまったく意識しなくても、ほぼ正しい場所を示してくれる。ビル街や地下ではやはりズレるが、少なくとも「前日に最後に撮影した場所をそのままひきずる」ようなことはない。
これ以上都市部での精度を上げるには、Wi-Fiを搭載してWi-Fiアクセスポイントの場所を利用するなど……つまり本体に通信機能をつけるのが早道だ。それとモーションセンサーを併用すればかなり正確になるはず。
そうなればもう通信機能付デジカメで、通信機能を搭載したら、地図のダウンロードサービスも可能になるし、写真のアップロードもできるようになるはずだ。
というわけで、近い将来、通信機能を搭載したEXILIMが登場しても驚きません。
ただ、カメラとしてみるとあまり高画質な方じゃない。もともとこのクラスの高倍率機はレンズにも無理があるのかディテールの描写は甘いのだが、H20Gもそうだ。まあ、画質重視派には不満もあろうが、広角から望遠までOkで見栄えのする写真が撮れる気軽なスナップ機と割り切って使えば十分に楽しめるだろう。
わたしが欲しかったのはもっと細かく移動経路を記録して、それをGPXファイルでSDカードに記録してくれる機能。つまりGPSロガー機能だ。そうすれば、普段のスナップはこれで気軽に撮りまくり、本格的に撮りたいときはもっと高性能なカメラで撮る。で、帰宅したら、そのGPXファイルとつきあわせてそちらの写真にも位置情報を追加する。
写真好きにはそんな使い方ができれば最高なんじゃなかろうか。
なお、自宅やその付近、その他プライベートな場所で撮った写真をアップするときは、自宅の場所をジオタグでさらしちゃわないようご注意を。あらかじめGPSオフで撮ることもできるし、撮ってしまったら再生モードに「緯度経度を消去する」機能が備わっているのでこれで消しておくのが無難だ。
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