夏の恒例が水着なら年末恒例は夜。ただでさえ明るい夜の都会がイルミネーションできらきらきらと彩られてまばゆく賑やかになるシーズンである。そんな明るい夜の街で人を撮ろう、という企画。
デジタル一眼を持って夜の街に繰り出そう、と。ちょっと邪魔になるけど、夜こそデジタル一眼の出番。なにしろ、感度を上げても撮れるし暗いところでのピントあわせにも強い。
一般向けのデジカメはたいてい「夜景+人物」モードを持っている。簡単にいえば、手前にいて、イルミネーションの光が当たってない人物をストロボの光で照らし、背景の夜景は発光しているイルミネーションでとらえましょう。ただ、夜の街は暗いので露出は背景に合わせてシャッタースピードを落としますよ、という撮り方。
シャッタースピードを落とすので三脚を使いましょう、と案内される場合もある。スローシャッターにストロボを同調させるので、これを「スローシンクロ」撮影という。実際にそれで撮ってみる。
はい、ピントが合ってません。わざとらしいけど、人の顔には光が当たってないから暗く、背景はイルミネーションが発光してて明るいので、油断するとこんなことに。コンパクトデジカメだと余計そうなりやすい。
そんなときはケータイの出番。ケータイの画面って明るいから、その光を顔に当ててもらうのだ。
こんな風にケータイの画面を自分に向けてもらうとほんのりと照らされてピントを合わせやすくなる。カメラから出るAF補助光よりずっと使える。
いや、このままケータイを照明にしても面白い。ホワイトバランスさえうまく合わせてやれば結構使えるかも。
で、ピントを合わせたらケータイをしまってもらって、すかさず撮影。
写る背景の明るさが全然違うのが分かると思う。スローシンクロだと背景も明るく写る。シャッタースピードが遅くなるので被写体は動いちゃいけないし、三脚も必要になるけどね。
ここでもう一工夫。ストロボは顔に正面から光を当てるので、どうしても顔が平面的になっちゃう。そういうときは顔を少し斜めにしてもらう。そうすると立体感が出る。
背景がもうちょっと暗いと、スローシンクロと通常発光の差が出やすい。普通にストロボ撮影だと、光が届く距離だけが明るく後ろは真っ暗だ。
スローシンクロだと人も背景もほどよい明るさになったが、ちょっと明るすぎるかな。そんなときは露出補正やストロボ光量補正で少し弱めてやる。ストロボにディフューザー(光を弱めるための半透明の板)をつけてやるのもいい。その方が夜っぽくなる。
以上が基本。あとは背景をどう入れるか、だ。
人がメインなら、もう、ぐぐっと望遠で寄っちゃって、背景を思い切りボカしちゃうとイルミネーションのひとつひとつの明かりが丸くきれいにボケてきれいに写る。
逆に、どこのイルミネーションへ遊びに行ったか分かるような記念写真的なものを撮りたいなら、広角側で背景を大きく入れる。このとき、人は近くに背景は遠くに、が基本。
夜の撮影では、特に人がカメラから離れるとストロボの光が届きにくくなるし、同じイルミネーションを楽しみに来た通行人たちが一緒に写りやすい。
このくらい、人は近くに背景は遠くに、でOK。
さてここで話がちょっと戻る。都会のイルミネーションを数メートルの距離から撮るくらいなら、スローシンクロにしなくても、三脚を使わなくても、手持ちで普通に撮っちゃってもOKだったりする。都会の夜は明るいのだ。
ストロボの光の色が強く出るけど、まあそれはそれで記念写真的には問題ない。
背景のイルミネーションが近くて十分に明るければ、「夜景+人物モード」なんて使わなくてもよかったりするのである。
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