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第130回 水着とポートレートの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/4 ページ)

» 2010年07月23日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 夏である。水着写真の季節である。今年は久々に梅雨がすっきり明けたので、炎天下の海岸まで撮りに行ってきた。

 デジタル一眼レフを持って彼女をきれいに撮ろう、でも装備はできるだけ軽くシンプルに、大がかりなのはナシ、の巻。

 用意したのは、デジタル一眼レフ代表としてニコン「D90」、マイクロフォーサーズ代表でパナソニック「DMC-GH1」、さらにAPS-Cサイズのセンサーを搭載したミラーレス一眼ソニー「NEX-5」。また、コンパクトデジカメとしてソニーのサイバーショット「DSC-HX5V」(以下、HX5V)も用意した。

広角から望遠までどの焦点距離で撮ろうか

 まずはこの2枚。1枚は一眼代表としてNEX-5、もう1枚はコンパクトデジカメ代表としてDSC-HX5Vで撮影した。

NEX-5で撮影
DSC-HX5Vで撮影

 発色が違うのはおいといて、同じような距離から同じように撮って、一番違うのは背景のボケ具合。デジタル一眼は撮像素子が大きい分、同じようなセッティングで撮っても背景のボケ具合が全然違う。背景のボケが少ないと、どこでどう撮ったかが分かりやすい=観光記念写真的になる。逆に背景がボケるとメイン被写体によりフォーカスされるので、ポートレートにいい。

 というわけで、人を撮るならやはり一眼なのだ。ボケ以外でもやはり写りが自然だしね。

 では撮ってみよう。最初は広角と望遠の話。どのくらいの焦点距離で撮るか。3枚ともD90で撮っている。

左から24ミリ相当、57ミリ相当、127ミリ相当

 広角、標準、望遠と3パターン撮ってみた。顔が同じようなサイズで入るよう、撮影距離を調節している(早い話が、後ろに下がりながら撮ったのだ)。

 注目は2点あって、ひとつは顔の写り方。広角だと顔が立体的にちょっとコミカルに写る。鼻がちょっと大きめに、顔がぐんと飛び出る感じ。望遠になるにつれ、顔に遠近感がなくなるけど、顔は小さめになり、形がきれいに写る。一般に、美人&小顔っぽく撮りたいときは望遠の方がいい。望遠過ぎると、被写体からかなり離れなきゃいけないのでほどほどに。

 2番目は背景の写る範囲。広角だと広い範囲が写る。だからどこでどんなシチュエーションで撮ったかも一緒に写し込める。望遠になるほど画角が狭くなるので写る背景も狭くなる。だからより被写体に集中した写真を撮れるし、撮影場所の匿名性も上がる。

 となるときれいなポートレートを撮るなら望遠の方がよさそう、ではある。特に顔にぐぐっと迫りたいなら、標準から中望遠くらいがいい。

69ミリ相当。D90で撮影

 でも広角には広角の楽しさがある。

 近距離で顔も身体も撮りたい場合や、撮った場所も一緒に移したい場合だ。広角だとより親しげな写真になるのもポイント。

24ミリ相当。D90で撮影

 さらに、液晶モニタが回転するようなデジタル一眼だと上下のアングル変化も容易に楽しめる。

下から広角で見上げてみた。28ミリ相当。NEX-5で撮影
上から見下ろして見た。28ミリ相当。DMC-GH1で撮影

 広角でちょっと上から撮ると足元まで写真に入るから、水辺にはぴったり。逆に広角で下から撮ると青空がバックになって晴天時にはいい。

 青空がバックだと背景は明るくて顔は日陰(下から撮ると当然顔は下を向くので日陰になるのだ)。逆光状態なのでプラスの補正をしてやるといい。空は白っぽくなるけどね。

プラス0.7の補正で。28ミリ相当。NEX-5で撮影
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